熟年離婚は損だからやめたほうがいい! 中高年の「自立」とは

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 最後は年金です。平成19年以降、離婚した場合に夫の年金を分割できるようになったことで離婚を決意した妻が増えたとよくいわれますが、これも実際のところはそれほどもらえるわけではありません。分割できるのは厚生年金だけですから夫が自営業の場合、妻は一銭ももらえないのです。

 サラリーマンの夫を持つ専業主婦の場合、半分はもらえますが、これは結婚期間に相当する部分です。たとえば結婚期間が30年で、その間の厚生年金を計算して月額にして10万円ぐらいだとすれば、その半分の5万円が妻の分です。妻の分の基礎年金と合わせても10万円を少し超える程度ですから、それだけで十分な老後の暮らしができるかどうかは疑問です。夫にとっても本来受け取れる厚生年金の金額が半分になってしまうわけですから、さらに老後の生活は心細くなります。熟年離婚によって夫婦共に老後貧乏ということになりかねません。

熟年離婚後に襲ってくる三大不安

 結局、経済的なことに限っていえば、2人とも働いて夫婦仲良く暮らすというのがベストな選択だといえるでしょう。どの世代においても夫婦共働きは経済的には最強の生き方です。さらに、夫婦がそれぞれ仕事を持って働き続けることには経済的な面以外にもメリットがあるのです。

 私はいつも、老後の三大不安は「貧困」「病気」「孤独」だと言っています。熟年離婚によって老後貧乏に陥ることも憂慮しなければいけませんが、私はむしろそれ以上に恐ろしいのは「孤独」に陥ることだと思います。もちろん、離婚しなくても、会社を定年になった後、友達も少なく、家族にも疎まれて孤独に陥る人はいるでしょう。まして、60歳を過ぎてから一人になってしまうことは、できるだけ避けたいところです。

 熟年離婚は長年不満を抱き続けた女性の側から切り出されるケースも多いため、離婚後は元気になる女性が多い反面、男性は一層落ち込んでしまうことになりがちだといわれています。そうならないようにするため最も重要なのは「自立すること」です。これは経済的な意味での自立という意味だけではありません。生活面においても精神面においても相手に寄りかかったり負担をかけたりすることなく、互いを尊重しながら、家事労働なども分担して行うことが大切です。

 現役時代の熟年離婚以上に恐ろしいのは、定年後何年か経った後に高齢離婚になってしまうことです。この場合は心身ともにさらに大きなダメージを受けてしまいます。仮にそういうことになってしまったとしても、経済的にも精神的にも一人で生きていけるように「自立する」気持ちを持って行動することは、大切だと思います。そして、そういう気持ちは持ちながらも、互いのコミュニケーションは大切にし、いっときの迷いで離婚するという選択肢はなるべく避けることが賢明なのではないでしょうか。

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