皇后雅子さま称賛の「手のひら返し」に透ける日本人の本音

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未だに「英語力」への注目度が高い日本

 両陛下とトランプ大統領夫妻との会見を伝えるネットニュースのタイトルは、以下のようなものが並んだ。

「両陛下、トランプ米大統領夫妻と英語で会話」

「両陛下、国際公務デビュー トランプ夫妻と英語で歓談『強い友情の絆』」

「令和時代の新皇室像、英語でトランプ夫妻と語り合う」

「トランプ氏と両陛下が会見 代替わりや相撲を英語で懇談」

 さらにツイッターでは「#通訳なし」が一時トレンド入りするといった事態。

 この現象に、違和感を抱いた人もいただろう。両陛下は国際的な場面におけるトータルなコミュニケーション能力が優れているのに、いまどき英語力の称賛がメインに来るのは時代錯誤ではないのだろうか。ここに日本人の英語コンプレックスの根深さを改めて感じる。

 通訳を介することで生じ得るタイムラグ、人を間に挟む奇妙さ、ニュアンスの微妙なずれ、そういったものを取っ払って軽やかに話すことができた。それは大きなことだ。特に雅子さまは、外務省北米局に勤務していた頃はアメリカ通商部との国際交渉で通訳官を務めたほどの英語力だ。

 雅子さまは、ニューヨークの幼稚園、ボストン郊外の高校、そしてハーバード大学などでアメリカの英語に接している。とはいえ英語は、海外に暮らしただけで上達するようなものではない。さらに雅子さまは、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ロシア語などにも堪能だという。語学に才能があり、数カ国語を操る人をリンギストというが、幼少期からの環境、才能、努力が合わさり、日本人には珍しい語学の達人となった。

 誰でもできることでは決してないものの、多くの日本人は、特に英語を流暢に操ることに対して惹きつけられてしまい、ネットでも大絶賛が沸き起こった。

「あぁ、もう本当に雅子さまかっこいい」

「嬉しいし誇らしい!」

「どこに出しても恥ずかしくない」

 両陛下は、皇太子皇太子妃の時代から、現在のような姿を目指してたゆまぬ努力を続けてこられたことだろう。語学力や国際的な視点は、今の時代の外交に当然必要な能力ととらえていたのではないだろうか。

 対して、日本国民の英語力はどうだろうか。16カ国に語学学校を持つ世界最大規模の国際教育機関「EF(イー・エフ・エデュケーション・ファースト)」が毎年発表しているEF英語能力指数ランキング(EF EPI)によれば、2018年の日本は、88カ国および地域中49位だった。

 「非常に高い」「高い」「標準」「低い」「非常に低い」とレベルが分けられるなか、「低い」に属している。2011年は14位で標準だったのが、徐々にランクが落ちて行って、2016年から「低い」に属しているという。

 近隣の国々をみてみると、韓国は31位、中国は47位、台湾が48位と、いずれも日本よりは上位にある。

 わずか2位上の中国では、両陛下がトランプ大統領との会見で通訳を介さなかったというニュースを受け、以下のような反応があったという。

 「今の世の中、2カ国語以上話せないのは米国人だけ」

 「トランプ氏が日本語で話しかけるべき」(Record China)

 日本人もせめてこのような強気なメンタルを持てたらと思うが、なかなか難しいかもしれない。

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