
「Getty Images」より
若者の“海外離れ”が懸念されている。最近も、日本の10代から20代には留学や海外暮らしを望む人が少ないとの調査結果が報道された。内閣府が2018年末に日本、韓国、米国、英国、ドイツ、フランス、スウェーデンの13~29歳の男女にインターネットで行った意識調査で、各国1000人ほどが回答したものの集計だ。
留学をしたいかという質問に、「思わない」が53.2%、「わからない」が14.5%という結果だった。さらに「(海外で暮らすことなく)ずっと自国に住みたい」が42.7%という高い数値を記録した。
若者は留学・海外暮らしに興味がないのか?
その調査結果では、日本は留学をしたいと思わない人が多く、「外国の高校や大学(大学院を含む)に進学して卒業したい」「半年から1年程度留学したい」「短期間の留学をしたい」のいずれかを選んだ人は、わずか32.3%に留まった。一方、韓国は7カ国中トップの65.7%、米国は65.4%、その他の国も5割以上が留学を希望している。
また日本の回答者は、ずっと自国に住みたいという割合が高く、「将来外国に住みたいか」という質問に対しては、「一定期間(1年以上)住みたい」と「移民として永住」を合わせてもたった19.4%にしかならなかった。これらは7カ国で一番低い結果である。
現時点での国際感覚を問う「異文化理解力・対応力」についての質問では、「十分」と「ある程度」が合わせて29.4%であり、日本の割合は最低であった。
回答した日本人の若者が現状に満足しているかというと、そうではない。自分に満足していると答えた日本人は45.1%。アメリカの87.0%をはじめとし、他国はすべて7割を超えていたという。
留学したくない理由は?
それでは留学したくない理由はいったいどんなものがあるだろうか。マイナビの学生窓口編集部が2017年に公開した調査結果では、大学生405人から以下のような回答が得られたという。
「海外に興味がないから(27.8%)」
「語学力が足りないから(27.4%)」
「資金が足りないから(23.2%)」
「海外に行くのに不安があるから(15.8%)」
この「海外に興味がない」というのは、今後も日本で暮らしていくのに留学の必要がない、海外に行く前にまだまだ知らない日本でのいろいろなことを体験したい、といった理由に基づいているようだ。
言葉への不安については、留学で語学力を鍛えればいいとも思うが、そもそもお金がなければ留学どころではないし、治安の不安などもある。日本にいれば友達もいるし、ネット環境が安定していて、安心で快適だ。
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