「ベビーウェアリングを自然派・スピリチュアルから明確に切り離します」ーーそこではこんな事情が語られています。
・さらしや兵児帯、スリングやベビーラップといったいわゆる布系の抱っこ紐を使った抱っこやおんぶこそが、理想的なベビーウェアリングだと考えている人もいる。ある意味原始的なツールであるこれら布系抱っこ紐の支持者の中には、少なくない割合で自然派やスピリチュアリストが存在する
・するとベビーウェアリングを伝えていく中で「ベビーウェアリングやってる人は反ワクチン」「紙オムツやエルゴを使っていると怒られそう」と言われることもあり、胡散臭い、選民意識を煽るものと受け取られてしまうことも少なくない
・そもそも養育者が「赤ちゃんのために」何かをすることでアイデンティティの確認や自己実現を図ろうとするのも、不健全
完結かつ控えめな表現の後ろに、日頃のご苦労がにじみ出ておりましたねえ……。しかし「わかるわかるー」といいながら、ぶっちゃけこの記事もそういった偏見を増長させかねない要素もあり、そのさじ加減が難しいところです。
過激インストラクターの事件簿
H子「インストラクター仲間のトンデモな実例を挙げれば、助産院で水中出産したお子さんが重度のアトピーなんですがステロイドはもちろん使っていなくて、温熱療法オステオパシーインストラクターなどもやっていました。他の方は、子どもたちにワクチンを打たせず、本人はヴィーガン。身につけるもの食べるものはすべてオーガニックで、子どもの教育はシュタイナー。あとはおむつなし育児をやっている方もたくさんいます」
「おむつなし育児」もこの界隈では定番なのか、「だっことおんぶの研究所」というHPに掲載されている全国のインストラクターのプロフィールを片っ端から見ていくと、おむつなし育児も教えられます! というメンバーの多いこと多いこと(ウワサではここに反ワクチン、ホメオパスもかなりいるという情報も)。
H子「過激な自然派インストラクターのひとりは自然を過信しているという典型的なタイプで、アトピーの子どもが離乳食はじめたてのころ、会食の場でピーナッツバターを平気で食べさせた事件がありました。その場にいた仲間は皆、内心『ヤバいんじゃないの!?』と驚いたのですが、何か主義があっての上だと思うと何もいえなかったんです。ところがその場で子どもにあっという間にアレルギー症状が出て、会食は即お開き、彼女はそのまま病院へかけこみました。
食物アレルギーの基礎知識~しくみと対策、治療について
※この記事はメタモル出版ウェブサイトに掲載されていた成田祟信さんの連載「管理栄養士パパのみんなの食と健康の話」を再掲載したものです 4月27日公…
ヒプノセラピーに手を出したインストラクターも、困った方向へ突っ走っています。『あなたが妊娠できないのは、心の中にブロックがあるから』とか始めてしまって。その他自己啓発セミナーっぽいコーチング講座に夢中のインストラクターと組み、助産師や保育士などの育児支援者対象の抱っこ講座に力を入れる人たちもいて、トンデモがどんどん広がっていく……なんだかなぁ……という感じです」