砂糖ダメ牛乳ダメ反ワクチン…過激な自然派育児、入り口は伝統的抱っこ紐信仰だった

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 講習会に来るお母さんたちの間では「昔ながらの抱っこ・おんぶで体幹が鍛えられる」という効果が大人気。口々に、『うちの子どもは、紐がなくてもしっかり猿みたいにしがみつくことができる。体幹がしっかりできたのは、おんぶ紐のおかげ。今までおんぶ紐を使ってきて本当によかった』と絶賛するそう。さらに小学校に上がり、ちゃんと椅子に座っていられることも『正しいおんぶ・抱っこのおかげ』と感謝するのだとか。椅子に座っていられないケースの問題は、体幹以外の部分にも原因がたくさんありそうですが、それを「私が楽していまどきの抱っこ紐を使ったせい!?」なんて、いらぬ責任を感じるお母さんたちも出てきそうです。

 理学療法士でもあるF美さんは、問題点をこう整理してくれました。

F美「昔ながらの派が主張するいまどき抱っこ紐に対する懸念の前提は、『正しく使えていない』ことでしょう。しかし怪我なく普通に使っていれば、何の問題もありません。『しがみつく力を養う』といっても、もっこやさらしなどのおんぶ紐も足を固定するわけですし、逆にストラクチャータイプのキャリアのほうだってガッチリホールドされるほどの固定力はありません」

余計な情報に左右されないで

F美「ストラクチャータイプの使用で問題が生じる原因は、キャリアの置いてある小売店が販売員を商品説明に取られたくないので、説明のいらない商品が求められることにもあるように思えます。いまどきの抱っこ紐は養育者も赤ちゃんも疲れにくく、成長を阻害しない姿勢がとれるなどの利点がある調整機能が増えていますが、日本の販売店においてそれらは『売るのに面倒な機能』とすら思われ充分な説明がされにくい。と、抱っこ紐の製作を行っている企業から聞いています。すると販売の段階で商品価値が下がり、おかしな言説につけこまれるのではないでしょうか。しかし昔ながらの抱っこやおんぶが謳っている『すごい効能』は、子どもが動き出してからいくらでもリカバーできることがほとんどで、だから何? というものばかりです。

いまどきの抱っこ紐はサイズ選びや適正使用ができないことによるトラブルが、個別で生じやすいのは確かでしょう。もし、お子さんやご自身に違和感があるなどの場合は、抱っこやおんぶのインストラクターに知恵を借りるのはとても有効なことでもあります。販売スタッフからは得にくい、よりオーダーメイドな使用感が身体を楽にしてくれると思います。その際は『子どもの成長が危ない!』みたいな脅すようなトークをせず、有益なことだけを伝えてくれる人をぜひ選んでください」

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砂糖ダメ牛乳ダメ反ワクチン…過激な自然派育児、入り口は伝統的抱っこ紐信仰だったの画像1 ウェジー 2018.05.22

 昔ながらのおんぶ・抱っこで親子の絆! 愛着形成! とかいいますが、そもそも昔も養育者と赤ちゃんはそうべったりでもなく、労働の邪魔だからと布に包まれて桶や籠に入れられていたなど、放置されていた文化もあります。

F美「昔の子どもたちの体幹の強さが、おんぶだけの効果かどうかは定かではないと感じています。子どもの多かった時代は、みんな赤ちゃんの扱いに慣れていたので、シンプルな紐であっても動作は容易だったでしょう。でもいち保育者としての主観でいわせていただくと……紐って痛い。親も子も、現代の知恵を使ってもよくない? いろいろな方を見てきて思うのは、キャリアとスリングを使い分けられている人は、それなりに抱っこスキルが高い。そういうバランスの取れた方たちには余計な情報に左右されず伸び伸びと日常を過ごしていただきたいと願います」

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