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2.5次元舞台からTGCのショーまで! 世界を視野に活躍する女性殺陣師の表現とは!?

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2.5次元舞台や映画で若手イケメンをフィーチャーした時代ものが大ブーム。その見せ場である、刀などの武器を用いた格闘シーンの立ち回りを考え、教えていくのが殺陣師(たてし)。兼田玲菜さんは弱冠24歳にして女性殺陣師として、数多くの舞台や映像作品で活躍中。そのパフォーマンスや演出に対する海外での評価も非常に高く、6月下旬に海外からの凱旋公演も控える彼女が殺陣の魅力を語った。

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兼田玲菜
1994年千葉県生まれ。幼少時より舞踊を習い、16歳から本格的に演劇活動を開始。以降、女優、モデルとして活動のかたわら殺陣を学び、2015年より殺陣師として舞台や映像に携わる。フランス、タイでのJAPAN EXPO参加やイギリス、ドイツ、カナダなどでも海外公演も行う。2016年より殺陣集団鴉で殺陣を含めた演出を担当。2018年TGCのショーで初めて殺陣を取り入れた『TGC MATSURI』を手がけて話題に。現在、出演・殺陣付けの舞台・映画など複数待機中

殺陣師までの道のり

――兼田さんは、元々は演劇やダンスをなさっていたんですよね?

兼田 子どもの頃から人前で何かをして目立つのが好きでした。特に踊るのが好きで、6歳からコンテンポラリーダンスやエアロビクスを習っていました。その他にも、伝統舞踊に目を向けてよさこいや沖縄のエイサーなどのお祭り系の踊りも面白そうと思い、興味を持ったいろいろなものをやりました。

15歳の時に憧れの脚本家が参加している海外の演劇祭に興味を持って、演技の道に入ったのですが、手を挙げたのに主役を逃すという悔しい思いをしたことがあって、いつか私もやってやるという気持ちを強くしていました。二十歳のときに初めて海外に出て出演した舞台がとても反響がよかったんです。その場にいた海外の演出家から「うちのステージに出ないか」なんて言われて一瞬浮かれて天狗になりかけたんですが、考えてみれば日本から来た小柄な女の子がきらびやかな着物を着て刀を振り回していたら、物珍しさとエキゾチック趣味である程度は盛り上がるんですよ。でもそれだけでは自分の中では納得できなくて。可愛いと言われても、それはメイクをすれば誰だってある程度は可愛くなれるわけで、日本の伝統文化の着物や刀のはずなのに自分は何も深いことは知らないで、見よう見真似の形だけ日本的に見せて、それで評価されるのが違うんじゃないかと思ったんです。もっと殺陣というものを本格的に学びたいと思いました。

――そこから殺陣を始めるのですね。

兼田 帰国して、殺陣を教えてくれる人を探していた時に出会ったのが今、殺陣集団・鴉で一緒にやっている亀山博昭です。そして亀山が殺陣を習ったのが同じく鴉の団員である濱田一也なんです。濱田は十数年間、京都・太秦の東映の撮影所でお侍役をやってきた人。二人とも身につけている基礎は共通していても、殺陣には個性や特徴があって、全然違うんです。私は二人のいいところを盗みながら学んでいって、自分のスタイルを作っていった感じです。舞台の経験は私もありましたから、鴉の舞台の演出に関するアイディアを私の方から出すと、亀山の方も、その発想はなかった!と喜んでくれ、一緒にやっていくことになりました。

殺陣とはどういうものか

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――殺陣の世界を知っていくにつれ、わかってきた魅力とは?

兼田 そもそも殺陣(たて)って読めない人もいるくらいで、まだまだ一般には知られていないことも多いと思います。殺陣とはいわゆるチャンバラ、お芝居の中で刀を振ることです。シン(芯)と呼ばれる主役、斬り役の人がいて、カラミ(絡み)と呼ばれる斬られ役の人がいて、その型や動きですね。実際に芝居の時には、刀の刃は当てないのが基本です。客席から、あるいはカメラから見て、当てていないのに当たっているようにかぶせて見せるのも一つの技術です。あとはいかに斬られ役であるカラミが斬り役のシンを引き立たせるか、そのためにカラミが斬られる時のシンとの距離感や動き、斬りかかるタイミングの合図や斬られた時のリアクションなど、身につけている技術は多岐にわたります。つまり殺陣は芝居の現場における技術職なんですね。

――殺陣で使う刀はどういうものなんですか?

兼田 いわゆる竹光と呼ばれる、木材を削って刀に見せかけたものです。芝居用に刃に銀紙を貼り、鍔や鞘も本物らしく作っています。刀身が木材なので当てると刃が折れてしまうんですね。今はジュラルミンやアルミなどの金属を使ったものもあります。ただ金属だと光り方や見栄えはいいものの、当たると切れてしまうことがあるので現場の事故につながりやすいということがあります。大人数の現場だと、慣れない役者がジュラルミン刀で周囲にいる人に当ててしまい、命にかかわる事故になったこともあるくらいです。いまは時代ものがブームで、様々な劇団で演出として殺陣が使われています。演出家はこうした事故が起きないよう、視野を広げて、立ち位置や動きに危ないところはないか注意する必要があるんです。

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