社会

オストメイトやストーマについての理解を広げよう

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「Getty Images」より

 看護師のあすかわいさんがTwitterで発信した「オストメイト」を漫画で解説した動画が、話題になった。

 この動画は、あすかわいさんの友人の夫がオストメイトになったのをきっかけに、もっと広くオストメイトを世の中に知ってもらおうと思い、作成したものだという。非常にわかりやすくまとめられていて、オストメイトを理解するのに役立つ。

 「オストメイト」とは、人工肛門・人工膀胱を造設した人を呼ぶ。そして、「ストーマ」は、さまざまな病気や障害などが原因で、肛門や膀胱から排泄できなくなった人の便や尿の排泄口をお腹に造ったもののことをいう。

 お腹に造った「ストーマ」に「パウチ」と呼ばれる採便袋・採尿袋を装着し、便や尿を溜める仕組みだ。「ストーマ」には筋肉がないため、自力で排泄を抑制する機能はなく、自然に出てくる排泄の管理を行う必要がある。「パウチ」は「ストーマ」の周囲の腹部に貼り、1日に数回、便や尿を「パウチ」から出し、数日ごとに「パウチ」を交換する。

 ストーマには「永久造設のストーマ」と、一時的にストーマを造設し、のちに閉鎖する「一時的ストーマ」がある。また、ストーマの種類には、機能別に「イレオストミー」「コロストミー」「ウロストミー」がある。

 ストーマの色は赤く、湿っていて、神経がないため痛みを感じない。今までの腸や尿管の役割をするストーマが、お腹にぽこっとできた感じだ。ストーマには内側から外側に常時、圧力がかかるため、お風呂などでお湯が入っていかない構造だ。

「パウチ」の取り扱い方法

 ストーマに装着して排泄を管理するパウチと呼ばれる採便袋・採尿袋の取り扱い方法は、ストーマの種類により異なる。

 たとえば、「イレオストミー」から排泄される便は、一般的に1日に5回から8回くらいの頻回で水様だ。「コロストミー」から排泄される便は、一般的に1日に1回から数回で軟便から有形便だ。「ウロストミー」から排泄される尿は、休むことなく出てくる。「ウロストミー」を増設している場合、夜間は夜用の蓄尿袋を利用すると快適な睡眠を確保できる。

 「イレオストミー」と「コロストミー」のパウチの交換の頻度は、一般的に週に2.3回だ。交換するまでの間は、パウチに便が溜まったらその都度、トイレで出す形だ。

 「ウロストミー」用のパウチの交換の頻度は、パウチにより異なる。毎日用、3~5日用、7日用などがある。いずれも交換までの間は、パウチに尿が溜まったらその都度、トイレで出す形だ。

身体障害者手帳によりストーマ装具の給付も可能

 永久造設のストーマを持つオストメイトは、身体障害者福祉法による障害等級に該当する場合、市町村から身体障害者手帳を取得できる。それにより、市町村よりストーマ装具の給付が受けられる。ストーマ装具の給付には、月額の給付基準額が決められていて、オストメイトは給付基準額内の一定割合の個人負担を払うが、個人負担を除いた月額の給付基準額の金額分が市町村から給付される。

 給付内容の詳細は、月額の給付基準額や個人負担比率など市町村により異なり、所得制限で受けられない場合もある。

オストメイト対応トイレとは?

 車椅子対応やオムツ替えもできる多目的トイレの中には、オストメイト対応のトイレもある。オストメイト対応のトイレには、オストメイトマークが表示されている。オストメイトマークは、上半身のお腹部分に白抜きの十字のマークがついているものだ。

 オストメイト対応のトイレ内には、立ったままパウチ内に溜まった排泄物の処理やパウチの洗浄ができるシャワー付きの流し台がついている。ストーマはお腹に造られるため、オストメイトが使いやすい高さの流し台を使うと、スムーズに排泄物の処理ができるのだ。

 オストメイトは外見からはわからなく、オストメイト自体の認知度も高くない。多目的トイレに入ってから時間がかかると、「まだ入ってるの?」と外から言われたりして、焦ってしまうこともあるそうだ。

 オストメイトマークは、オストメイト対応のトイレがあることを示す場合などに使用されている。デリケートな排泄に関わることなので、オストメイトをオープンにするのをためらう人も多い。しかし、無用な誤解を避けるため、オストメイト対応のトイレに出入りするときだけ、オストメイトマークのストラップをかばんなどにつける人もいる。オストメイトマークのストラップは、特定非営利法人ハートプラスの会で販売している。

 外見からわからないオストメイトだが、その利用者や家族以外の人々もオストメイトの実情を知ることは、皆が暮らしやすい社会へと向かうのにきっと役立つはずだ。

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