「老後2000万円不足」でも貯蓄ゼロ世帯15%、自民党「報告書もうない」と現実見ず

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一生懸命働いていても月収15万円

 つい先日、阪急電鉄の中吊り広告が乗客をはじめネット上で批判を受けて、掲載中止となったが、特に批判の声が大きかったのはこの言葉だ。

「毎月50万円もらって毎日生き甲斐のない生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか。研究機関 研究者/80代」

 研究者や経営者の“名言”を集めたシリーズ本『はたらく言葉たち』(パラドックス)から引用したフレーズだというが、毎月30万円を稼ぐことなど夢のまた夢だ、という市民の声がTwitterに溢れた。決して怠けているわけではなく一生懸命働いていても月収15万円、などという労働環境が蔓延していることのあらわれだろう。

 この“名言”を紡いだ「80代研究者」の現役時代は、多少怠けていても、やる気がなくても、食うには困らない程度の稼ぎを得られる時代……だったかもしれない。だが、今の日本社会はそうではないし、これから先も「毎月30万円稼げる」人が増えるとは言えない。

今すぐ、先の長い社会保障計画の設計を

 政権与党は7月に予定している参院選にネガティブな影響が出ることを懸念し、金融庁の試算結果を否定するのに躍起になっているが、これは社会保障についての議論を成熟させる好機だ。

 すでに格差社会となった日本において、夏のボーナスが100万円近くもらえ、退職金も厚生年金もある豊かな層の人々を“普通”のモデルケースとして設定していることへの疑問もある。上述した「懸命に働けど薄給」な働かせ方がまかり通っている労働問題も含め、国会では総合的な議論をしてほしい。

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