「老後に2000万円必要」で大炎上中の金融庁の報告書を読んでみよう

【この記事のキーワード】

人生を3つのステージに分類

 冒頭に説明した通り、報告書ではライフステージについて、働き盛りの時期、定年退職前後、高齢期の3つに分類しており、それぞれ資産形成期、運用取崩し期、資産管理期と定義している。

 30〜60歳までの資産形成期については、株式の長期投資によって資産額を増やしていくことが想定されている。60歳を超えると企業に再雇用され、引き続き就労することになるが、再雇用時の給与水準は従来の65.4%になると予想している。大企業の場合には現役時代の7割程度が維持されるケースもあるかもしれないが、現実はもう少し厳しいだろう。再雇用された場合には現役時代の5割まで下がると見ておいたほうが確実だ。

 60歳から70歳までは運用取崩し期としており、就労でそれなりの年収を確保できる人は、資産に手を付けず、資産額を維持することを推奨している。この時期における取り崩し額をどれだけ少なくできるのかで、その後の生活水準が決まる。

 70歳になると、加齢による衰えが激しくなるので、ここからは望んだような就労ができない可能性が高まってくる。70歳以降については、資産管理期として、徐々に資産を取り崩しながら生活することになる。

 個人によって差はあるだろうが、一般的なサラリーマンの資産形成手段としてはかなり標準的なパターンが提示されているといってよい。

 資産形成でもっとも重要なのは期間である。金額は小さくても長期間にわたって投資を続けることができれば、最終的な資産額の見込みは大きくなる。40歳から50歳にかけては、支出がもっとも多くなる時期だが、こうした時期であっても、決して投資への支出をゼロにしてはいけない。ここで支出を削る覚悟ができなければ、資産形成で成功する確率は一気に低下する。

 もう一つは高齢になった後の資産の取り崩しである。平均的な余命を知ることはできるが、人はいつ死ぬのか事前に予測することはできない。実際に資産を持つ立場になると分かるが、死期を事前に考えて、資産を取り崩しながら生活するというのは、精神衛生上、容易なことではない。可能な限り就労と運用を続け、キャッシュフローを確保する努力をした方がよいだろう。

1 2 3

「「老後に2000万円必要」で大炎上中の金融庁の報告書を読んでみよう」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。