『きのう何食べた?』が大好評の内野聖陽が、舞台でもフェロモン全開の面目躍如

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 辰三の当たり演目は、天涯孤独の身から力士として身を立てるも、偶然再会した母に拒絶される「瞼の土俵入」。出番前の楽屋なので、内野は浴衣姿。訪問客と語りながらも、舞台化粧を施して衣裳を身にまとっていきます。

 濃いおしろいを塗りたくるため、浴衣をはだけてあらわにした上半身は、しゃべるたびに胸筋がピクピク動いて、率直にいえば「うーんオスくさい」。力士役のため、衣裳の下には体形を補正するための肉襦袢を着込みますが、ぱっと見は滑稽に見えても仕方ないはずの肉襦袢のみの姿でも、男のフェロモンがムンムンです。

一人芝居で本領発揮

 1幕も2幕も、物語上には他の座員や訪問客など複数の人物が登場しますが、舞台上には実際には誰も現れず、他者のセリフも内野と有森自身が表現します。特にジュールは外国人であり、その言葉の訛りが、力士役の扮装の内野から出てくるのはひたすらチャーミングでした。

 ジュールに会えて大喜びしていた辰三ですが、母親と対面するよう促されると、幼少時に一度会いにいって拒絶された悲しみを明かし拒否。辰三の愛憎入り混じる複雑な心理と、ジュールの「アーマエンボウ!」「中年男ガミットモナーイ」という愛と叱咤のこもった(かつ訛った)セリフの両立はさすがでした。

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『きのう何食べた?』が大好評の内野聖陽が、舞台でもフェロモン全開の面目躍如の画像2 ウェジー 2018.06.20

 また、化粧を落として一人の人間として考えるように諭され「私が化粧をとったら、無精ひげの中年男しか残らない」と嘆きつつも「バーカ」と言われて怒る、感情や役の立場の切り替えの自然さも。お芝居はフィクションの産物ですが、相手がいないのに、本当にいるかのようにしか見えない一人芝居は、そんなフィクションの極致といっても過言ではないでしょう。

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