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メルカリには勝てない? リサイクルショップの淘汰とリユース業界のこれから

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「Getty Images」より

 本、家電、衣服、ブランド品などを買い取り販売するリサイクルショップ(リユースショップ)が、軒並み苦境に立たされている。企業信用調査会社である帝国データバンクの調査によれば、2018年度には30件ものリサイクルショップが倒産。前年度の15件と比べれば2倍の数だ。

 リサイクルショップが苦境に立たされている背景には、「ヤフオク!」のようなオークションサイトの普及や、「メルカリ」や「ラクマ」といったフリマアプリの台頭があるだろう。とくに近年では、利便性に長けたフリマアプリに利用者が流れていることは想像に難くない。また、利用者が減ったことによって、売り上げの源泉である商材の確保が困難になったことも挙げられる。

 また、フリマアプリは取り扱われている商品の量が桁違いで検索の利便性も高いため、肝心の顧客も奪われた形だろう。

 では、実店舗を事業の中心に据えているリユース企業は、打つ手なく潰れていく運命なのだろうか。リユース業界のエキスパートとして活動するA-DOS代表取締役・福本晃氏に、リサイクルショップやリユース業界の課題、そして未来について聞いた。

福本 晃(ふくもと・あきら)
A-DOS代表取締役。船井総合研究所在籍時に立ち上げたリユース業界向けコンサルティング部門を、全国各地に600店舗のクライアントを持つまでに育て、数多くの急成長企業を作り出す。2017年に退職し、A−DOSを設立。リユースリサイクル業専門の経営コンサルティングサービス「TRCリユースコンサルティング」を立ち上げるなど、リユース企業への幅広い支援を行っている。著書に、『はじめよう!リサイクルショップ』(同文舘出版)がある。
TRCリユースコンサルティング

リサイクルショップが苦戦を強いられる3つの理由

 福本氏によれば、現状のリサイクルショップの苦戦は、フリマアプリの急成長以外にも3つの理由があるという。

「1つ目は、リアル店舗とネット販売を併用しているリユース企業が、デジタル対応に遅れていることです。現在のリユース市場はEC化率が50%以上あり、ネット販売が半分、リアル店舗での販売が半分というマーケットが主流になっています。他業界のEC化率が10%前後であることを考えれば、リユース市場はEC化率が高いといえるのですが、多くの企業はネット市場に対応しきれていないのです。

 フリマアプリなどのCtoC(消費者間での取引)サービスを展開している企業や、リアル店舗とネット販売を両立させているリユース企業のEC比率が30%にも満たないことも少なくありません。ネット売買のノウハウやITリテラシーを持った人材は業界全体で不足しており、市場のデジタル化に追いついていない企業も多いのです。

 2つ目の理由としては、消費者にとってはフリマアプリ以外にも物を売買するサービスが増えたことです。中古品の供給量が増えるためメリットのようにも思えますが、買取面の価格競争も激しくなり、業界全体の粗利率が下がっているとも言えるのです。また販売面においても、供給量の過多は商品の回転率低下につながりかねません」(福本氏)

 そして3つ目の理由が、店舗における接客の満足度が低いことだという。

「あるリサイクルショップの倒産を報じたあるネットニュースには、1800件ほどのコメントがついていましたが、その多くはリサイクルショップへの不満を訴えるものでした。人件費や家賃といったコスト面を考慮すれば、実店舗を持つリサイクルショップは、フリマアプリと比べて買取価格が安い、販売額が高いという批判は甘んじて受け入れる必要があるでしょう。しかし、それならば店員の知識量で勝負する方向にシフトし、利用客が納得するような価格についての説明をすることはできるはず。リアル店舗ならではの工夫やホスピタリティは、まだまだ足りていないといえます」(福本氏)

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