BTS(防弾少年団)の“兵役免除”議論が紛糾 ファンは「軍隊に行くべき」

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 現段階で本人の口からはこのように言うしかないというのもあるだろうが、実は、ARMYも「兵役に行っておいた方が無難」といった考えをもつ人が多いようだ。

 「ユリイカ」(青土社)2018年11月号に掲載されたライターの巣矢倫理子氏による論文「外を見るファンダム あるARMYのナラティブから」には、韓国在住のARMYに「推しが兵役に行くことについてどう思うか?」という質問をぶつけた結果が書かれているのだが、その回答は意外なものだった。

<兵役に執着せざるをえない韓国の状況を理解する必要があります。アイドルにとって軍隊は、鶏肋(鶏ガラ:役には立たないが捨てるには惜しいもののこと)ではないかと思うのです。兵役を忌避すると、社会で培ってきたすべてのキャリアや評価が崩れて、アイドルとしての好感度を失います>
<男性アイドルだけでなく、男性芸能人はみな軍隊に行きたくないはずです。しかし、芸能人だということを理由に兵役に差別があってはならないと思います。芸能人ではない一般男性も、貴重な二年間を犠牲にするからです>

 この背景には、韓国社会における「兵役」についての考えがある。

 韓国社会において兵役は、男性ならば誰もが経験する通過儀礼であり、その務めを終えることで社会的に成熟した存在として見なされる価値観がある。

 しかし、その一方では、学業や仕事に集中できる若い時期を2年間も奪われる兵役に対し、「無駄な時間」と考える側面も同時に存在するため、その憎しみが女性蔑視につながっていると問題視する声もある。

 そういったことから、兵役に関しては「公平性」が重んじられる。芸能人や官僚などの特権階級にいる人が兵役逃れのようなことを画策し、それが表沙汰になると猛烈なバッシングが起こるが、BTSメンバーに対する兵役免除が本格的に議論されるようになれば、反発する声が起きるのは確実だろう。

 エンタメ系ニュースサイト「WoW!Korea」2019年6月11 日付の記事も、ARMYから<「兵役特例」が議論されることで、メンバーたちが傷つくことが目に見えてくる><今まで韓国の男性が「軍隊」に対する追求してきた盲目的な「公平性」を考えると、議論の過程であらゆる非難が集中することが予想できる>といった声が起きていると伝えている。

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