年齢によって衰えた記憶力は復活させることが可能か

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ニューロネティクス社のrTMSが難治性うつ病の初の保険適用に

 今回の研究で使われた経頭蓋磁気刺激法(TMS)とは、そもそもどんな治療法なのか?

 日本精神神経学会の「新医療機器使用要件等基準」によれば、TMSは「コイルに流れる電流による変動磁場を用いて大脳皮質に渦電流を誘導し、ニューロンを刺激することによって低侵襲的に大脳皮質の活動を変化させる技術」と定義している。TMSを反復して行う治療法を反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)と呼ぶ

 脳に磁気刺激を与えて本当に大丈夫なのか。もちろん副作用もあるという。

 頻度の高い副作用は、頭皮痛・刺激痛(30%)、顔面の不快感(30%)、頸部痛・肩こり(10%)、頭痛(10%)。重篤な副作用は、痙攣発作(0.1%未満)、失神(頻度不明)。

 頻度の低い副作用は、聴力の低下、耳鳴りの増悪、めまいの増悪、急性の精神症状、認知機能の変化、局所熱傷などだ。

 2008年にFDAは、ニューロネティクス社が開発し約6万人の治療実績があるrTMSを、うつ病の治療機器として初承認している。

 2017年9月には厚生労働省が、既存の抗うつ薬の薬物療法に反応しない成人(18 歳以上)のうつ病の治療装置(高度管理医療機器)としてrTMSを薬事承認。今年6月に帝人ファーマが販売するニューロネティクス社のrTMSが、難治性うつ病の初の保険適用になった。

 保険の対象となったrTMSは、頭部に当てた磁気コイルから「左背外側前頭前野」に磁気刺激を与え、神経伝達物質の放出を促し、脳内を活性化させる。

 約40分間の治療を週5回、計20~30回行えば、うつ症状を軽減・消失させる効果が期待できるという。ただし、保険適用は、6週間、計30回まで。1回当たり1万2000円(自己負担3割なら3600円)。

 rTMSの保険適用を契機に、認知症改善のための治療としての可能性にも注目したいところだ。

参考:公益社団法人 日本精神神経学会「新医療機器使用要件等基準

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