
「Getty Images」より
本格的な夏の到来前――そう、梅雨時にこそやっておきたいのが、エアコンのお手入れだ。エアコンのフィルターの掃除や、虫の侵入対策……やっておきたいことは多々あるが、忙しかったり面倒臭かったりで「なかなか掃除できない」という方も多いはず。
そこで、吉本所属のお笑いコンビ「ラフ・コントロール」のボケ担当でありながら、エアコンのクリーニング・メンテナンス会社「世田谷クリーン」の代表もつとめ、3000台以上のエアコン整備経験を誇る重岡謙作さんに、“これだけやっておけばOK!”というエアコン掃除のお手軽な方法を聞いてきた。

重岡 謙作(しげおか・けんさく)/お笑い芸人、世田谷クリーン代表
お笑い芸人として劇場などで活躍する傍ら、エアコンクリーニングの会社を手伝い、3000台を超えるエアコンを整備してきた経験を活かし、2019年に世田谷クリーンを起業。エアコンのクリーニングやメンテナンスを手掛けている。
株式会社「世田谷クリーン」
フル稼働シーズン前にやっておくべきエアコンの“ウォーミングアップ”
まず手始めに、真夏のフル稼働シーズンを迎える前に行うべき、エアコンの“ウォーミングアップ”方法はあるだろうか。
「エアコンを稼働させ始める時期は、“ものすごく暑い”というわけでもないですよね。ですから冷房温度を高めに設定してつけてしまいがちなのですが、そうすると少しニオイが出ることがあります。もちろん掃除するのが一番ですが、最初になるべく低い温度で風速を強めに設定し、しばらく冷房を付けていただくと、内部に水滴が発生してカビを流してくれるのでニオイ対策になります」(重岡さん)
具体的には、窓を開け放って30分から1時間、16℃程度の温度でガンガン冷房をかけることで、ニオイ予防になるという。
また、久しぶりにエアコンを動かしてみたところ、「異音がする」とか「冷房の効きが悪い」といったトラブルに見舞われることも……。その場合は、どういった原因を疑えばいいのだろうか。
「“ポコポコと音がして変だから……”と、メンテナンスを依頼していただくことも多いのですが、そういった音は気にしなくても問題ありません。エアコンは、内部の水が逆流しないような作りになっていて、風が強いときなどにその部分がポコポコという音を立てるのです。音がするのは当たり前で、壊れているのではないかという心配は必要ありません。
むしろ、冷房の効きが悪いときに疑ってほしいのは、内部で使われているガスの漏れです。エアコンを長年使用したことによる劣化で、ガスの配管のどこかに穴が開いてしまうことがあります。内部でガスが漏れてしまっている場合は、買い替えていただくしか方法はありません。
他に考えられる原因としては、アルミフィン(エアコンの本体内部にある熱交換器)がほこりで詰まってしまい、冷えた熱を上手く出せなくなっている可能性があります。自分でアルミフィンをお手入れできない場合は、専門業者に頼んできれいに掃除してもらうのがいいでしょう」(重岡さん)

エアコンの内部には汚れが溜まっている(画像は「Getty Images」より)
また、気になるという方も多い、エアコン経由で侵入してくる虫の対策についても教えてもらった。
「虫がエアコンから侵入してくるというのはよくあることで、その対策としては侵入経路を断つこと。小さい虫が、水を排出するドレンホース(エアコン内に溜まった水を室外に排出する管)を通じて登ってきている場合は、水が出る口にストッキングのようなものを巻いて、侵入できないようにするのがいいでしょう。また侵入を防ぐということを考えれば、室内側からドレンホースを出している壁の穴を、粘土のようなものでキッチリ塞ぐことも大切です」(重岡さん)
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