「選択的夫婦別姓」に自民党だけが反対 保守層が夫婦同姓にこだわる理由とは?

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夫婦同姓強要の先にある家族条項

 選択的夫婦別姓が認められるようになったところで社会的なデメリットは何もないが、女性の社会進出がすすんだ現状においてそのメリットは多くある。

 今年11月からは住民票への旧姓併記が可能となるのに伴い、運転免許証でも旧姓が記載できるようにする方向で準備が進められているとの報道もあった。これは、夫婦の同姓を強要する理不尽と、別姓を選択できることの合理性が社会的に共有されていることの証左だろう。

 それにも関わらず、なぜ自民党をはじめとした保守層は夫婦同姓にこだわり続けるのか?

 打越さく良弁護士が2015年にwezzyで行った夫婦別姓に関する講義から引用したい。

夫婦が別々の姓を名乗っても、家族の一体感は損なわれない【選択的夫婦別姓訴訟、判決直前!ミニ講座①】

<反対意見はいずれも根拠のない、ふわ~っとしたことばかりですが、これを主張する人たちは、家族ひとりひとりが家に対して忠実であり、それぞれ夫や妻、父や母という役割をきちんと果たすことは、国家に対して忠実であり、国民ひとりひとりが国に奉仕することに繋がる、と考えているようです>

 この<家族ひとりひとりが家に対して忠実>であることが<国家に対して忠実>であることにつながるという発想は、自民党の憲法改正案からも読み取れる。

 自民党は憲法24条を改正し、「家族は互いに助け合わなければいけない」という家族条項を付け加えようとしている。日本会議をはじめとした保守層が押し進めるこの家族条項は、家父長制を復活させて女性差別を温存し、さらに、国が担うべき社会福祉を「自己責任」のお題目のもとで家族に押し付けるものになると危険視されている。

国民の半数近くが夫婦別姓に賛成

 2018年の内閣府が発表した調査によれば、選択的夫婦別姓制度の導入に向けた法改正に賛成する人は42.5%にもおよび、反対の29.3%を大きく上回った。選択的夫婦別姓制度に関して社会的な要請があるのは、もう火を見るよりも明らかだ。

 立憲民主党の枝野幸男代表は5月4日にさいたま市で行った演説で、選択的夫婦別姓制度について<夏の参院選で、そろそろ(議論に)決着をつけさせていただきたい>と語り、参院選の争点のひとつとする可能性を語っている。

 東京都議会の動きをひとつのきっかけとして、選択的夫婦別姓制度に関する議論が前に進むことを願う。

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