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日本マクドナルドの的外れな戦略が浮き彫りの「未来型店舗」 インバウンド対策もショボすぎる

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イギリス・ロンドンのマクドナルドの「キオスク」(筆者撮影)

 日本マクドナルドは4月、 「未来型店舗体験」と銘打ち、静岡県内の75店舗で「モバイルオーダー」「テーブルデリバリー」「ゲストエクスペリエンスリーダー」の3つを実験的に始めた。

 「モバイルオーダー」は、客が事前にスマホのアプリを使って注文し、店舗到着後にアプリで決済すれば、待たずに商品が受け取れるというもの。

  「テーブルデリバリー」は、注文カウンターもしくはモバイルオーダーで注文した商品をスタッフが席まで届けるサービス。そして、「ゲストエクスペリエンスリーダー」は接客専門のスタッフのことで、メニュー選びや空席探しなどを手助けする。

 いやしかし、これが「未来」なのだろうか。さらなる自動化やロボットの導入をイメージした顧客にとっては、肩透かしをくらった格好だろう。これなら海外のマクドナルドのほうがよっぽど「未来型」である。

海外のマクドナルド店舗では、無人決済が普通

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「キオスク」で注文は完結する(筆者撮影)

 海外のマクドナルドでは、店頭に「キオスク」と呼ばれるタッチパネル式のセルフオーダー端末が何台も設置されている。言語選択のできる画面にタッチし、「テイクアウト」か「店内での飲食」を選択してから、ドリンクやバーガーなどのカテゴリーから好きな商品を選んでいく。そこには画像、価格、カロリーなどの情報が表示されている。

 クレジットカード、デビットカード、電子マネーなどで決済し、番号が印字されたレシートを持って受け取りカウンターに向かう。カウンターには電光掲示板があり、番号が準備中の欄に表示されているのが見える。自分の番号が受け取りOKの欄に表示されたら、カウンターで商品を受け取る。

 客はレジ前に並ぶことなく、短時間で商品を受け取れる。注文ミスもない。店舗によって、キオスクをレジ併用している店と、キオスクのみの店がある。キオスクとレジを併用している店では、レジに並ぶよりキオスク利用のほうが早く商品を受け取れるとの報告もある。

 キオスクはすでに世界で約1万4000台設置されており、アメリカ、イギリス、フランス、スペイン、イタリアなどの欧米諸国、さらにキャッシュレス化が進む中国や韓国でも展開されている。

 米・マクドナルド社は、2018年7−9月の売上高が前年同期比で2.4%上がったことについて、キオスク導入店舗が増えている影響もあると発表した。キオスク導入により回転数が上がるうえ、客がじっくりメニューを選ぶため平均単価が高くなる効果が見られたようだ。

日本マクドナルドの“未来型”戦略

 実は日本でも、キオスクを実験的に3店舗に設置していた。ネットでは、使いやすいとの意見も見られたが、決済にはクレジットカードやキャッシュカードが使えず、楽天Edyなど流通系電子マネー3種類のみだったため、キオスクの利便性が正しく評価されたかどうかは疑問である。

 その実験結果を受けてなのか、日本ではキオスクが本格的に導入されることはなかった。その代わりにモバイルオーダーをウリにすることにしたようだ。モバイルオーダーのアプリ開発は、キオスク導入に比べたらはるかにコストが安く済む。ちなみに、アメリカではモバイルオーダーも導入している。

 モバイルオーダーには、アプリをダウンロードさせて顧客を囲い込む意味もあるのだろう。頻繁にマックを利用する人であればいいかもしれないが、年に数回程度の人であれば負担に感じる。日本マクドナルドは、「テーブルデリバリーを体験した来店客の満足度は上がっている」(引用:日経X TREND)としているが、ファミレスと同じで驚きはないという世間の評価は否めない。

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