営業とは「合意形成を得ること」 営業力を強化する6つのメソッド

【この記事のキーワード】

仮想ロールプレイングは、応用力を高める

——そのノウハウの中身について教えていただけますか?

鷹尾:概要だけをお伝えしますと、6つのスキルが必要となります。相手の信用を得る「マウントスキル」。力関係をコントロールする「リーディングスキル」。相手の本音をあぶり出す「アナリティカルスキル」。相手の心掴む「グリップスキル」。期待感を調整してベクトルを合わせる「アジャストスキル」。相手に選択権を与えて自ら選んでもらう「クロージングスキル」の6つのスキルです。

——そのスキルを身につけるために、座学ではなく、「原始人」や「大奥」といった非日常のシチュエーションでロールプレイングを行っているのは、なぜですか?

鷹尾:中には、「車の購入に悩むお父さん」といった現実的な設定もありますが、あえて非日常的なストーリーを設けているのは、参加される方になりきる感覚で楽しんでもらい、没入感を高めるためです。そのほうがスキルに思い切った幅がつきます。また、設定の中で自由な発想で考えたり、役柄を入れ替えたりすることで、視野の広い応用力が初めから身につくという効果があります。

——設定が現実とかけ離れていても、目の前の交渉ごとに活かせるものですか?

鷹尾:交渉のテクニックを教えるだけなら、よりリアルな設定のほうが応用しやすいかもしれません。しかし、お客様はもちろんですが、交渉の状況や決済を得るためのプロセスなども千差万別。交渉や実際の営業はディテールの世界。2つとして同じ営業環境はありません。つまりは、テクニック論では、多様なニーズに対応することは難しいと思うのです。だから、どれだけ広い視野で交渉をとらえ、柔軟に考え、互いに満足できる結論へ導くかを学ぶためには、自由な発想を出しやすい非日常のシチュエーションが最適だと考えています。

——たとえば「原始人」の場合は、どのような考え方が出てくるのでしょうか?

鷹尾:A村が獲物であるマンモスを倒したところ、その場所はB村の土地。互いに所有権を主張しているので、さて、どう合意形成を得るか、というのが大まかなストーリーですね。この物語の場合、そもそも村が2つであるべきかという答えや、A村がすべてをもらう代わりに、B村に学校建設を約束するといった答えもあります。お互いのためになる付加価値を思い付くことで、どんどん交渉空間を拡大させていくのが、合意形成を得るカギです。

——なるほど。そうしたスキルを身につけた場合、どのように営業の手法が変わるのですか?

鷹尾:この6つのスキルを得ることで、売る側と買う側の両者にとって、付加価値を感じる目的を持ちやすくなります。つまりは、営業をする際の提案のテーマ性が深まるということです。営業がうまくいかない方々から、「商品のせいだ」なんて声をよく聞きますが、それは商品の良し悪しではなく、提案のテーマ性の乏しさが原因。売れる営業マンは、商品に関係なく、何でも売っていますよ。

1 2 3

「営業とは「合意形成を得ること」 営業力を強化する6つのメソッド」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。