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「老後2000万円不足」はまったく心配しなくていい~年金未納の年収1000万円と、厚生年金のある年収400万円を比較

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年金は購買力を維持できる

 一生もらえる老齢年金がいかに心強い制度であるかがよくわかります。この試算は95歳までですが、それ以上生きても公的年金はずっともらい続けることができます(Bさんの場合は、もっと貯蓄が必要ということになります)。

 また、年金は、長い期間にわたって受給するので、今後、物価が上昇する可能性もあります。物価が上昇しているのに、受給当初のまま金額が変わらないとどうですか? 

 たとえば、りんご1個が300円から20年後に600円になれば生活は苦しくなりますね。物価の上昇に応じて、年金額が増えなければモノを買う力(購買力)は下がってしまうのです。年金を中心とした老後生活で大切なのは、モノを買う力(購買力)を維持することです。

 年金制度は、世代間扶助といい、現役世代の支払う保険料が、年金受給世代に仕送りをされる仕組みです。賦課(ふか)方式だからこそ、モノを買う力(購買力)を維持できます。もし、自分で支払った保険料を積立ていく方式(積立方式)だとどうでしょう。

 たとえば、Bさんは、公的年金の代わりに民間の生命保険会社の個人年金保険に加入するとします。20年後30年後に受け取るのは、加入時に決められた保険金額です。物価が上がっていれば購買力は減ることになります。

 公的年金は、賦課方式・強制加入方式だからこそ、30年後、40年後、高齢になって年金を受け取るようになったとき、購買力が維持された年金を受け取ることができるのです。民間の保険会社には絶対に作れない「保険」です。

年金は必ずもらえる

 物価が上がって年金額が上がった場合、それを負担するのは現役世代ですから、年金額の改定は、現役世代に十分配慮して行われます。

 現役世代の賃金が仮に30万円から30万3000円に1%上がると、年金額も1%上がります。でもそのまま上げていたら、将来の年金財政が厳しくなってしまいます。制度は、今後少子高齢化が進むことで支える力が弱くなり、一方、高齢者の余命は伸びて年金受給期間も長くなって支給総額が増加することをちゃんと想定して作られています。保険料の上限を固定して、限られた税源の中で、年金給付水準を少しずつ調整する「マクロ経済スライド」という仕組みです。(現役世代に近い68歳までは「賃金水準」に当たる「名目手取り賃金変動率」によって改定を行います)。

 年金額は下がることもありますが、給付水準は、現役世代の平均年収の50%を上回る水準(所得代替率50%以上)を確保できるように決められています。

 また、年金の財源は、私たちが支払う保険料のほか、基礎年金の2分の1は国庫負担が入っています。税金が投入されていますので、ネガティブな情報に振り回されて、年金保険料を支払わず、年金をもらえないのは損ですよ。しっかり保険料を支払い、老後の安心を作っていきましょう。

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