吉本芸人の反社“闇営業”、背景にある吉本興業の搾取構造は放置か

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吉本興業株式会社ホームページより

 24日、宮迫博之(雨上がり決死隊)、田村亮(ロンドンブーツ1号2号)、レイザーラモンHG、福島善成(ガリットチュウ)ら、闇営業に関わっていたとされる11人が謹慎処分となることを吉本興業が発表した。

 当初は振り込め詐欺グループからギャラをもらっていないと言っていたのにも関わらず、ここにきて主張を翻したことから芸人たちに批判が殺到する事態となっている。

 闇営業で特殊詐欺グループのパーティーに顔を出した彼らの行動が擁護しようもないのは言うまでもないが、その背景にあるのは吉本興業の搾取構造ではないか。

闇営業を誘発した吉本興業の搾取構造

 そもそも、闇営業なるものが芸人たちの間ではびこることになったのは、吉本興業が所属するタレントに対してまともな対価を払っていないからだ。

 吉本興業の搾取構造はこれまで芸人たちの定番ネタになってきた。芸人たちの公の発言はいずれも“ネタ”だという前提ではあるが、いくつか羅列する。

 たとえば、2014年には、『ナカイの窓』(日本テレビ系)に出演した綾部祐二(ピース)が、具体的なギャラの取り分を「吉本:芸人=9:1」であると暴露している。

 また、2017年の『たまむすび』(TBSラジオ)では、博多大吉(博多華丸・大吉)が<本当マジ舐めんな。吉本マジ舐めんな><何回もギャラ交渉行きましたよ>と内情を語ったこともある。

 ピース綾部や博多大吉クラスの売れっ子芸人ですら「そう」なのだとしたら、数多いる有象無象の若手芸人のギャラがどれほど安いか、察するのは容易だ。闇営業をワリのいいバイト程度に考えて気軽にこなす芸人が出てくるのも自然な話だろう。

 所属芸人に対する搾取構造を改めない限り、似た事件は繰り返し起き続けるだろう。

吉本興業の遅すぎる「謹慎処分」

 吉本興業のもうひとつの問題は、入江ひとりだけをトカゲの尻尾切りして、宮迫やロンブー田村亮のようなベテラン芸人に対する批判を有耶無耶にしようとした点である。

 今月7日発売の「FRIDAY」(講談社)をきっかけに問題が明るみになると、吉本興業は報道後すぐに入江慎也(カラテカ)との契約を解除した一方、宮迫らに関しては「ギャラをもらっていない」という主張を押し出し、厳重注意だけで済ませようとした。

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