日本人の給料はなぜ下がり続けるのか? デフレマインドから脱却できない企業

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金でしか国力を語れない人たち

 さて、ここまでの話を読まれた方はなんとなく、限られた小さなパイを会社員たちが取り合っているような印象を受けたかもしれない。パイが小さいのだから仕方ないと。

 しかし、企業には金がある。2017年末で446兆円にも達する内部留保だ。企業は社員たちの働きにより稼いだ金を、せっせと貯め続けてきた。なぜか。これは、企業の上層部が腹黒く、欲深いといった話ではない(そういう企業もあるだろうが)。長く続いたデフレにより企業がデフレマインドにどっぷりと浸ってしまったため、いくら儲けても、また来るかもしれない不況のために社員の給料を上げないようにし、新たな投資も控えるようになっているのだ。特に給料は、一度上げたら下げにくい。

 ならばどうすれば日本人の賃金が上がるのか。簡単だ。政府が発表しているような見せかけの景気ではなく、本当に景気を良くすればいい。景気を良くするためには、デフレのスパイラルから脱すればいい。デフレのスパイラルから脱するためには、需要を拡大させればいい。

 しかし、政府は国民にモノを買え、浪費しろ、豪遊しろだとか、企業に対してじゃんじゃん設備投資しろ、などとは命令できない。ならば、「最後の買い手」として、政府が需要を拡大すれば良い。

 本稿執筆時、Twitterで「増税して国の借金を返済し、将来世代へのツケをなくさなければ無責任だ」とツイートした国会議員がいた。思わず「デフレ時に緊縮財政を行い、供給力を毀損し、公共施設を崩壊させ国家の安全を脅かすあなたのような政治家こそ無責任だ」とリプライしてしまった。このような議員たちは、金でしか国力を測れない。

 国力とは金の多さではなく、供給力だ。自国の需要をどれだけ自国の供給力で賄えるかで国力が決まる。日本の場合は石油などの資源は他国に依存せざるを得ないが、食料や電力(発電)などのエネルギー、インフラ、国防、技術などを自国で賄えない国はもはや先進国とは呼べない。その意味では、現在の日本はすでに危うい。

 働いて豊かになれる。豊かになれるから頑張れる。そのような社会を作るためにはどうすれば良いのか。前述の議員にも有権者として考えさせなければならない。

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