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鬱病から回復し妊娠も、「いいお母さんになんてなれない」と葛藤した日々

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鬱病からお見合いサイト登録、結婚まで

 由美子さんは、20代の初めに鬱病を発症していた。高校を出て都内の有名私立大学法学部に合格した由美子さんは、大学に通いながら弁護士資格取得を目指し、朝から晩まで猛勉強を続けていた。無茶な努力を続けた結果、3年目で糸が切れた。

「正直向いてなかったと思うんですよ(笑)。でも、どうしても弁護士になりたくて。何か自分の価値を見出したいという気持ちがあったのかな。でもバーンと爆発して、どうにもつらくて、這うようにして内科に行ったら精神科を紹介され、鬱病と診断されました」

 そこからは坂道を転がるように、家から出られなくなった。司法試験の勉強はもはや続けられなかった。“せっかくここまで来たのに”。自分を責める気持ちから、自殺願望が高まり自傷行為も増えた。

 なんとか卒業はしたものの、由美子さんは実家のある関西に戻った。

「親の信頼も期待も裏切って、こんな状態で戻ってきて、自分にはやっぱり何の価値もない。死にたい、ってそれしか考えられなくて。意識がある状態がつらくて薬を飲んで眠る。父は私がそんな状態になっていることがどうしても理解できなかったみたいで、時にはきつい言葉も言われました」

 部屋に閉じこもって、風呂に入ることもできなかった由美子さんが、少しずつ外に出て行こうと思ったのは30歳近くになってから。引きこもっている間に太ってしまった体が嫌でダイエットを始めてみると、うまくいき、1年半で20キロ痩せた。

「それまで結婚なんて絶対無理だろうと思っていたんですが、痩せてみたら、外に出てみたくなって(笑)。知人の結婚式の写真を見て。『いいな。結婚、してみたいかも』って思ったんですよね」

 そうと決めたら由美子さんは行動が早かった。約10年の間に、友だちとはほとんど連絡を取れなくなっていた。結婚をしたいならこれしかない、とインターネットのお見合いサイトに登録をする。

「もうこれしか道がないって思ったんでしょうね(笑)。すぐ登録して、でも3年くらいかかって今の夫と知り合い、34歳で結婚しました。実は夫も鬱経験者なんです」

 鬱病経験がある者同士の結婚生活。お互い調子がいい時もあれば悪い時もある。子どもなんて持てないだろうな。そんな諦めを抱くこともあった。

 それでも授かった命。しかし今度は自分の体が危険にさらされた。

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