スクラム採用を導入するための注意点
それでは、スクラム採用を導入するためには、どのような点に注意すれば良いだろうか。まず、採用プロジェクトをリードする人事担当者が、スクラム採用を導入することの意義を全社員に理解させなければならない。ここを怠ると、人事担当以外の社員たちにとって、採用活動が他人ごとになってしまうためだ。そのため、スクラム採用により、会社や社員にどのようなメリットが生じるのか、どのようなことを実現したいのかを説明しなければならない。
このとき、経営陣がスクラム採用へのコミットを示し、全社員を巻き込むことが重要になる。スクラム採用を導入することの意義を全社的に共有できたら、次に人事担当者と社員たちの役割分担を決める必要がある。
特に人事担当者以外の社員で、SNSでの発信力が高い者、会社や業務の魅力を説明することに長けている者などの能力を活かすことが、スクラム採用では有効だ。そして、採用活動に関する情報を一元管理し、社員の誰もがアクセスできるようにして成果を可視化する。
組織を強化するスクラム採用
スクラム採用は、優秀な人材への多面的なアプローチを可能にし、企業・職場と人材のマッチ率を高め、優秀な人材の確保と離職率の低下の実現を期待できる採用手法だ。同時に、全社員が採用活動を自分ごととしてとらえることで人事担当者の負担を軽減し、社員のエンゲージメントを向上させる効果もある。その結果、全社員が採用というプロジェクトで一丸となり、チームとしての相互理解や協力関係にも良い影響を与え、組織が強化されることも期待できるのではないだろうか。
従来の採用方法で人材確保に苦戦を強いられている企業は、スクラム採用の導入を検討してみてはいかがだろうか。
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