「リーグ戦」にすれば多くの投手が実戦を積める
――高校球児の投球過多を解消するために、どういった取り組みが有効だとお考えですか?
氏原氏「投球過多を無くすための一番の有効策は、秋季大会と春季大会で従来のトーナメント戦を廃止して、リーグ戦に変えるべきだと考えています。トーナメント戦は夏の大会だけにすれば良い。
リーグ戦にすればトーナメント戦のような『負けたら終わり』というプレッシャーがないので、監督の心理的な負担を恐怖心を減らすことができるので、大胆な投手起用が可能になり、“公式戦を控え投手が投げて勝った”という経験を積ませることができます。
リーグ戦になると数試合を戦うことが前提になるので『多くの投手を育てよう』という意識がチーム内で高まり、エース1人に負担がかかることを軽減できます。そうなれば、オープナーやブルペンデーも浸透し、投手の投球過多は解消されていくと思います」
――リーグ戦への変更は画期的な提案ですね。ただ、実現の筋道はどうなのでしょうか。
氏原氏「『リーグ戦にすることが子供のためになる』ということを世間の人達が認識すれば実現可能です。投球過多の問題だけではなく、リーグ戦になれば多くの選手が出場する機会を得られる。その結果、野球を楽しめる子供達も増え、野球のレベルも高くなると思います。こういったメリットを多くの人に知ってもらえれば、リーグ戦に変更することは難しくないです」
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