
生き延びるためのマネー/川部紀子
ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。2019年5月24日に「食品ロス削減推進法」が成立しました。これは売れ残った恵方巻などのニュースなどで注目されるようになった、まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス問題」を解消するための法律。大手コンビニ各社は、一定時刻を過ぎた対象商品を購入した場合にはポイント還元をするという形で実質値引きを始めると発表しているところもあります。
筆者は以前から、個人の食品ロス問題は家計の問題と捉えて注目してきました。
そこで、今回は「食品ロス」問題ジャーナリスト井出留美さんの著書『「食品ロス」をなくしたら1か月5,000円の得!』(マガジンハウス)から「もったいない」を減らすワザをいつくか紹介したいと思います。食品ロスによる家計の損失は一世帯でなんと年間6万円以上というのですからバカにできる数字ではありません。
コンビニがスーパーよりも高いのは、消費者のせい!? 大量廃棄される食品を減らすには
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買い物は、メモ作ってまとめて買う→1週間で500円お得
「1週間くらいの献立を考えて買う」ことが推奨されています。献立が決まれば、買うものも決まってきます。買うものが決まればメモを作ってから買い物にいくことで余計なものを買わずに済むという理論ですね。
※ポイントは「計画を立てることの有用性」
家計に問題がある人の特徴の1つは計画性の無さ。この点を少しでも改善できる方法ですし、スーパーに行く頻度が多い人には効果はありそうです。
何となくあれやこれや想定して食材をカゴに入れ、家にまだ残っていたかどうか定かではない調味料を買って冷蔵庫で被ってしまう。これを防げば金銭的にも効果が大きいと思われます。
モヤシの買い置きゼロ→20円お得
傷みやすいモヤシをその日に食べる分だけ買うことが推奨されています。野菜室よりもチルド室や冷蔵室の方がお勧め、袋に穴を開けて冷凍という小ワザも紹介されています。
※ポイントは「安い&買い置きがお得とは限らない」
誰もが高いものは慎重に扱い、安いものは雑に扱ってしまうのではないでしょうか。また、買い置きにより目の前に数が多くあると、ありがたみも薄れ「いっぱいあるからあげる」など言ってしまう傾向もあります。
ここでは、20円という小さな金額なのでインパクトが薄いかもしれませんが、「安い」「多い」で損をする行動パターンをよく示している例です。あちこちに仕掛けられている「安い」「多い」のワナに引っかかると、その損失は20円どころではありません。
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