政治・社会

「体罰」と「しつけ」の線引きをどうするか 児童虐待防止法改正と民法の“ねじれ”

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 山下貴司法相も民法の「懲戒権」の見直しを法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する方針を示しているが、改正児童虐待防止法と改正児童福祉法の施行後2年をメドとしており、2022年4月以降となる。これでは、親の子供に対する体罰の禁止が、法体系上で確立したものではない状態が続くことになる。本来であれば、民法の懲戒権から見直しを進めるべきであったのに、児童虐待防止法と児童福祉法を急いだために、このような事態に陥っている。

 例えば、高齢者の自動車運転免許証のあり方などもそうだが、安倍晋三政権は世間の関心が高い問題に対して、ポピュリズム的に“付け焼刃の法改正”で対処する傾向が強まっている。その背景には、参議院選挙が迫っていることがあるのかもしれない、とも思えてしまう。

こうした弥縫(びほう)策では、抜本的な解決を求めるのは難しいだろう。今回の問題についても、厚生労働省が「体罰の範囲」について、どのような判断を示すかが注目されるが、どのようなガイドラインが公表されても、現在SNS上などで起きている体罰の解釈に対するものと同様の議論が再び巻き起こることになりそうだ。

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