フェイクニュースに寄せられた世界の反応
“世界初のタイムフリーゾーン法案”というニュースが単なる観光キャンペーンであったことに対し、ネット上では様々な反応が散見された。国営機関であるイノベーション・ノルウェーへの信頼度の低下を懸念する声や、フェイクニュースを使ったPRに税金が使用されたこと、またこれを報道したメディアに対するファクトチェックの甘さを否定的に捉える意見が上がった。しかし一方で、「嘘であっても、面白い発想だよね」「興味深い宣伝のやり方だと思う」「その島に引っ越したいとさえ思った」「だまされた!でも時間のないゾーンは、いいアイデアだよ」といった肯定的な意見もあり、フェイクニュースの是非はともかく、いかに人々が時間に囚われないライフスタイルに憧憬を抱いているかを明らかにする結果ともなった。
イノベーション・ノルウェー代表であるSteinar Daltveit氏は、「本件は観光PRの一環であることを明示した上で行うべきだった」と謝罪の意を表すかたわらで、“Let’s Stop Time”キャンペーンがソマロイで行われていることは事実であり、ソマロイでは島民は数世代にもわたり、時間にかかわらず太陽の色や位置に従って生活を送っていることをPRの一環として利用したと釈明している。 “Let’s Stop Time” キャンペーンを率いるHveding氏は「時間のない生活は虚偽ではない。実際に私たちはそうやって暮らしてきたんだ」とコメントし、“Let’s Stop Time”キャンペーンは、ソマロイで行われている生活習慣の形式化を求める動きにすぎないと主張、同PRに協力した理由については、「観光への集客のみでなく、タイム・フリーの価値観を世界に広める良い機会だと感じた」と語っている。