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関ジャニ∞横山裕は、実力派舞台俳優の道を着実に歩み始めている。「北齋漫畫(ほくさいまんが)」

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北齋漫畫」7/7まで東京グローブ座で公演中

 劇場へ足を運んだ観客と演じ手だけが共有することができる、その場限りのエンタテインメント、舞台。まったく同じものは二度とはないからこそ、ときに舞台では、ドラマや映画などの映像では踏み込めない大胆できわどい表現が可能です。

 ジャニーズ事務所のタレントたちが、何歳まで“アイドル”でいなくてはいけないのかは、常に注目を浴びる話題です。年齢的にもアイドル活動は休止し、俳優業にキャリアをしぼりたいという所属タレントの意向が噂されることもたびたびですが、近年のジャニーズ所属タレントたちの舞台への出演歴をチェックすると、事務所サイドも(アイドル活動との両立はともかく)演技派俳優への育成もしっかり視野に入れていると実感することが増えました。

名作に抜擢

 そのひとつといえそうなのが、現在上演中の舞台「北齋漫畫(ほくさいまんが)」です。昭和から平成を代表する劇作家、矢代静一の戯曲に、新国立劇場の演劇芸術監督も務めた演出家、宮田慶子が満を持して挑む公演に主演しているのは、関ジャニ∞の横山裕。劇中の半分は老人姿でアイドルとしてのキラキラを封印し、表現者としての新境地に挑んでいます。

「北齋漫畫」は俳優座や文学座などで活躍した矢代により1973年に発表された戯曲。ともに浮世絵師が主人公の「写楽考」「淫乱斎英泉」と合わせた「浮世絵師三部作」の2作目で、矢代はこの三部作で芸術選奨を受賞しています。「北齋漫畫」初演で主演したのは緒形拳、1981年には同じく緒形の主演で映画化もされています。

 江戸下町の御用鏡磨師・中島伊勢(渡辺いっけい)の養子、鉄蔵(のちの葛飾北斎、横山裕)は絵師を志すものの、奔放な性格から師匠に破門になってばかり。若いころにできた娘のお栄(堺小春)とともに、下駄屋の婿養子で読本作家志望の友人・佐七(のちの曲亭馬琴、木村了)の家に居候しながら絵を描き続けていました。あるとき鉄蔵は、ミステリアスな魅力を持つお直(佐藤江梨子)と出会いほれ込みますが、小悪魔的な彼女に養父の伊勢ともども翻弄されます。

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