児童扶養手当の自宅訪問調査で母親がうつ病に タンスの中身を確認し元夫に連絡をするのは“適切”なのか?

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立ち入り調査は断ることも可能だが…

 高松市役所こども家庭課の担当者によると、今回報道されている事案は、市民から「男性と一緒に住んでいるようなので調査して下さい」との情報提供が入り対応した案件であり、受給者全員に対して行っているわけではないという。

<高松市内の児童扶養手当受給資格者はおよそ4200人。訪問調査が実施されるのは、あくまでも“疑義”があった場合であって、受給者全員に実施しているわけではありません>

 “疑義”とはいわゆる不正受給だ。高松市では、多い時は1日に1~2件、少ない時でも1週間に1件は必ず、児童扶養手当の不正受給に関する情報提供が市民から寄せられるといい、その大半が「男性と同居している」という内容のようだ。

<離婚後などの児童扶養手当の新規申請時に、“調査がつきもの”であること、事前連絡なしの訪問調査が行われることもあると、説明はしています。事実婚に関しても、「児童扶養手当というのは、婚姻している方はもちろんのこと、事実婚も支給資格から外れてしまうので気をつけてくださいね。事実婚というのはこういうものです」とお伝えします。>

 事前連絡なく「抜き打ち」で行われるという訪問調査。職員が家の中の状況を確認するが、市に強制力はなく、あくまでも任意なので断ることも可能だ。ただし、調査を断った場合は“疑義”が残り、一時的に支給がストップするケースもある。

<(訪問調査を断られたら)我々は色々考えます。ただ、時間はかかってしまう。現段階で児童扶養手当は年に3回、4月・8月・12月に4か月分まとめて支給されるが、支給月に間に合わなければ、支給ができなくなります。資格は喪失しないが 調査に時間がかかって支給停止になる方もいる>

 訪問調査を実施するタイミングはさまざまで、申請段階で“男性の影”が見受けられ訪問に至ることもあるという。

<今回は、情報提供に基づいて調査をしていたところ、予想通り、男性物の衣服が出てきました。「この服はどなたのものですか?」と聞いたところ、元夫のだとおっしゃったので、「じゃあ、この服がご主人さんのものだということを証明していただきたい」とお話ししました>

<元ご主人に確認する方法として、調査対象の母親に了解を取った上で、服を撮影させてもらい、ご主人に来てもらうなどした結果、最終的に服は元ご主人のものだと判明しました>

 しかし、もし夫のDVが原因で離婚をした場合、元夫と連絡を取ることは危険だろう。また、元夫が協力しないなどのケースもあり、「元夫のもの」だと証明できない場合もあるのではないか。

 そもそも、母子世帯の家に男性物の衣服があることによって、即ち「現在、事実婚状態にある」と言い切れるものではない。

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