宇垣美里アナウンサーの“マイメロ論”を精神科医はどのように見る?

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「すみません」はお見舞いの言葉でもある

 宇垣美里さんのストレス対処法、ひいては自分のメンタルを自分でケアする方法は、水島先生からみても合理的だという。

水島先生「謝罪する際に「私があなたよりも優れていてごめんなさい」と心の中で唱えるのは、良い対処法だと思います。その理由は“完璧主義の手放し”ができるからです。

 完璧主義の傾向があって他人にも自分と同じレベルの要求をする人は、細かいことにもよく気がつくので他人のできていない部分に敏感に反応してしまい、イライラしやすくなります。そういう人は『周囲の人よりも優れていてごめんなさい』と一歩引くことで、他人への高い要求をセーブでき、ストレスを回避できます。

 つまり、完璧を求めてしまうと『みんなも自分と同じようにできないのはおかしい!』と思ってしまいますが、こういったことを心の中で唱えると『自分みたいにできる人ばかりではないんだ』という“気付き”を得ることができます」

 謝罪時の心持ちについて、水島先生は「『すみません』という言葉は“謝罪”としてだけでなく、“お見舞い”としての意味もあることを知っていると良いでしょう」と言う。

水島先生「私は“怒っている人”は“困っている人”なんだ、と捉えることを推奨しています。怒っている人はなにかに困っているため、怒っているわけです。ですので、謝罪を要求された時、自分のしたことを謝るために『すみません』と言うのではなく、お見舞いとして配慮の意を込めて『大変ですね。少しでも癒されるように、すみませんと言いますね』とすれば、謝罪する側はそれほどストレスを感じません。『すみません』は必ずしも自分の非礼を詫びる意味だけではなく、『相手が苦しそうだから、お見舞いを言っておこう』『大変そうだから声をかけてあげよう』みたいなニュアンスで、状況に応じて使い分けてあげるといいですね」

 しかし、理不尽な怒りをぶつけられると、「自分は悪くないのに……」と頑なになってしまい、「すみません」という言葉が出てこない人もいるだろう。だが、それはストレス蓄積の悪循環になるという。

水島先生「物事の正しさに囚われて、『自分は悪くないのに……』と意固地になってしまうと、それ自体がご自身にとってストレスになってしまいます。『自分は悪くないのに……』と思っているのに謝罪を要求される場面は、相手が相当困っている可能性が高いです。そういった時にこそ、正しいかどうかにはこだわらないで、『とても大変そうだから、お見舞いを一言伝えてあげよう』という心持ちでいることが大切です。『怒っている=困っている』と自動翻訳できるようにしておくと、ストレスを感じにくくなり、日常生活を過ごしやすくなります」

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