宇垣美里アナウンサーの“マイメロ論”を精神科医はどのように見る?

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「自分は相手に何を求めているか」を念頭に置く

 LINEで仮想アカウントを作り、思いの丈をぶつける方法については、より良いやり方があるという。

水島先生「この方法も非常に有効だと思います。ただ、1つ付け加えるのであれば、『相手に何をやってもらえれば、自分は嬉しい気持ちになるのか』という視点を持って文章を打つことが重要です。最初のメッセージは酷い言葉を使っても良いとは思いますが、『この人が何をしてくれたら自分は満足できるだろう』ということを念頭に置いて、メッセージ内容を徐々に変えていくと良いと思います。

相手の嫌なところを淡々とあげつらうだけでは、ストレス解消にならないので。『これをやってください。お願いします』と言えるくらい、相手への不満をブラッシュアップさせたほうが良いですよね。

『自分が相手に何を求めるのか』を突き詰めていくと、『○○と△△と□□を同時に求めるのは酷だったな……』『あの人はずぼらな性格だから、自分の要求に応えることは難しそうだな』など、その要求がとても現実的ではなかったということに気づくケースは珍しくありません。自分の要求に気がつけば、適切なアプローチができるようになるので、ストレスに振り回されることも少なくなるでしょう」

 『怒っている=困っている』と自動翻訳できるようになると、LINEでメッセージを送りながら『この人に何を求めているのか』ということに加えて、『自分は何に困っているのだろうか』という感情も探ることができ、ストレスを効率よく減らすことができるそうだ。

 マイメロ論も同様で、嫌な相手を「困っている人なんだ」と解釈すると、やりやすい。

水島先生「辛い状況をダイレクトで受け止めしてしまうと傷ついてしまうけど、それを緩和させる方法として、このマイメロ論は非常に面白いと思います。これまでの話の流れでいうと、『自分は怒られている』と思うとマイメロのような癒し系のキャラにはなれないけど、『この人は困っている』という見方をすればマイメロになることは容易です。つまり、何かしらのキャラを心の中で作り出せば、『怒っている=困っている』と翻訳しやすくなるので、ストレスを生じさせないための方法として有効かと思います。

『ドラえもん』の中で、のび太が困っている時にドラえもんがなだめるシーンがあるじゃないですか。そういったドラえもんの視点を持って、相手や状況を見てあげると『怒っている=困っている』という翻訳が捗りますよね。自分が好きな癒し系のキャラを見つけて、それを取り入れてあげると良いでしょう」

 自分自身の中で、『怒っている人=困っている人』という翻訳機が機能していれば、嫌な状況に直面した時に毎回マイメロになる必要はなくなるという。ただし、自分が感情的になりやすく、煽られやすいという自覚があるならば、マイメロ論を積極的に活用したほうが良いそうだ。

 大人ならば、自分の機嫌は自分で取りたいもの。男女の別を問わず、ストレスのセルフケアに宇垣さんのやり方は参考になるだろう。

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