けいれんしている人を見たことがある人は、あまりいないでしょう。発熱した際の熱性けいれんやてんかんのような病気でけいれんするとき、一般的には意識がありません。名前は似ていますが、熱性けいれんは感染症などで発熱した際に起こるものです。一方、体の外の暑さで起こる熱けいれんは、汗をたくさんかいて体内の水と塩分が失われることで起こります。通常、意識はあるのに手足がピクピクと動いたり、思うように動かせなくなったり、しびれたりします。こんなときには、水分と塩分を両方摂ることが治療になります。
“熱射病”という言葉は、以前はよく使われました。現在は、熱中症の一番重症なものを熱射病と呼びます。体温が異常に上がり、脳、肝臓、腎臓など複数の臓器で機能がうまくいかなくなる、命に関わる状態です。症状としては呼びかけに反応しなかったり、返答がおかしかったり、場にそぐわない異常な行動をとったり、けいれんをしたり、麻痺をしたりしますが、ひと目見ただけで異常は明らかなので、普段一緒にいて面倒をみている大人がお子さんの熱疲労や熱失神、熱けいれんを見逃して、いきなり熱射病になることはないと思います。
もし熱中症になったら?
これら熱中症の症状が出たとき、どうしたらいいでしょうか。
環境省の熱中症予防情報サイトにフローチャートが載っています 。呼びかけに応えてくれないとか、意識がおかしいようならすぐに救急車を呼びましょう。救急隊が到着するまでに、子どもを涼しいところに連れていき衣服をゆるめます。意識がはっきりしない人に何か飲ませるのは誤嚥してしまうといけないので、控えましょう。
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大きな血管が走っているところを冷やすといい、という話を聞いたことがあるかもしれません。でも子どもの場合は体が小さいので、冷やせるならどこでも、濡らしたタオルなどで拭くとか、ペットボトルや氷嚢で冷やすなどしましょう。呼びかけに応じて意識状態が悪くないときには、涼しいところに連れていき、飲めるようなら水分だけでなく塩分も摂らせます。