『なつぞら』夕見子はジェンダーに囚われない「もっと普通を疑え、なつ」

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「女のくせに」という世間の目と戦う夕見子

 農業高校に進んだなつは、柴田家の祖父・泰樹(草刈正雄)に長男・照夫(清原翔)と結婚し家業を継いでほしいと望まれた。「必要とされている」「役に立っている」と言えば響きはいいが、なつは、身寄りのない自分を引き取ってくれたという恩を柴田家に常に感じ、自分よりも周囲を気遣いがちな描写が目立つ。

 けれど夕見子は<あんたのそういうところ、ほんとつまんない。やるんだったら自分のためにやんなよ! じいちゃんのためとかごまかしてないでさ。それなら私も応援してやる>。なつが農協で働く父と農協に頼りたくない祖父の間に挟まれ際は<あんたにだって人生選ぶ権利はあるんだからね。なつはどっかでまだ遠慮してるんだよ。>と、鼓舞した。

 普通高校に進み北大(国立北海道大学)を目指す夕見子が、大学に行く理由を述べたときのセリフはこうだ。

<ほんとは北大なんて行かなくてもいいんだけどね。だって負けたくないし。そんなの無理だとか、女のくせに無理だとか、そういう世間の目にさ>

<自分が生きる場所は自分が選べるような人間になりたいのさ>

 誰のものでもない自分の人生は、世間にとっての「普通」に沿うよりも、自分の意思で選んでいくもの。もっと「普通」を疑え――。夕見子の言葉は、ヒロイン・なつはもちろん、令和を生きる視聴者にも力強く響く。

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