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母子家庭(シングルマザー)がもらえる手当・支援制度

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「Getty Images」より

 離婚や死別などで母子家庭となったとき、まず不安に思うのは「お金」のことではないでしょうか。

 「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によると、平成28年時点の国内のひとり親世帯数の平均年間収入(母又は父自身の収入)は、母子世帯が243万円、父子世帯が420万円。平均年間就労収入(母又は父自身の就労収入)は、母子世帯が200万円、父子世帯が398万円となっています。

 離婚や死別する前は、専業主婦やパート・アルバイトだったという場合、いきなり収入をUPさせるのはなかなか難しく、心身ともにつらさを覚えるかもしれません。

 別れた元夫からの養育費は、あくまでも子どもを養育するためのお金ですが、それすらほとんど払われていないというデータがあります。

 しかし! 国や自治体は、ひとり親家庭を対象にさまざまな「支援」を行っています。この支援を受けることは子どものためにも母親自身のためにもとても重要で、ぜひ情報を得て、もらえるお金をしっかりもらい、生活を整えてください。

 今回は、所得制限はあるものの、返金する必要のない支援を紹介します。

母子家庭がもらえる手当・支援

児童扶養手当

ひとり親家庭医療費助成

就学援助

家賃補助

児童扶養手当

 ひとり親家庭支援として最もポピュラーなのが「児童扶養手当」です。

 離婚や未婚、死別、生死不明などにより、配偶者のいない状態で18歳未満(中程度以上の生涯がある場合は20歳未満)の児童を育てる母や父が受給できる「児童扶養手当」。

 ただ、受給者の扶養人数に応じた所得制限があるため、すべてのひとり親家庭が対象になるわけではありません。また、養育費を受け取っている場合は、養育費の8割が所得に加算されます。

 なお、扶養人数や所得は、1~9月に申請した場合は前々年、10~12月に申請した場合は前年の状況が審査対象となります。

 たとえば、今年7月に申請した場合は、平成30年度の所得額(平成29年1~12月の自分の収入を反映したもの)や扶養人数によって、審査が行われるので注意してください。

●手当はいくらもらえる?

 支給額は、物価の変動等に応じて毎年改定されます。昨年8月から、子ども(扶養人数)1人で年収160万までは全額支給(月42910円)されています。

 平成31年4月分からの支給額は、児童1人の場合は月額42,910~10,120円。

 児童2人目はこれに10,140~5,070円、児童3人目以降は1人につき6,080~3,040円加算され、所得額等に応じて決定されます。

 所得額というのは、源泉徴収票の「総所得金額」を確認してください。

 公的年金との併給の場合は、児童扶養手当月額と年金月額の差額が支給額となります。

●手当の申請方法は?

 申請は、自治体窓口(市役所、区役所など)で受け付けています。

 必要書類は、戸籍謄本やマイナンバーを確認できる書類、印鑑、請求者の預金口座番号など。離婚届受理証明書や公的年金給付等受給証明書、障害者手帳などが必要な場合もあるので、あらかじめ自治体ホームページで確認するか、電話で問い合わせておきましょう。

※離婚後、戸籍謄本ができるまで時間がかかることが考えられるため、離婚届受理証明書があると良いです。児扶手当は「申請日の翌月」分から受給できます。

 申請時には、申請書の記入と職員との面談があり、ひとり親になった理由、現在の預金額、月々の収入、養育費の有無、家賃などを確認されます。こちらも、あらかじめ何を聞かれるのか問い合わせ、確認しておくと安心でしょう。

 また、毎年8月の現況届提出も、原則受給者が自治体窓口に出向き、現況届の記入および職員との面談で同様の事項が確認されます。

 実家に住んでいる場合は、同居している親や兄弟姉妹(=3親等内、限度額の一覧表の「扶養義務者」にあたる)にも所得制限が生じます。誰か一人でも所得制限を超過したら児童扶養手当は受給できません。

 住所は同じですが二世帯住宅などで「生計は別」だと自治体が認めた場合は、ひとり親自身の所得額のみで審査されます。

●手当の支給日は?

 児童扶養手当は、原則申請月の翌月分から支給されます。これまでは4月・8月・12月の年3回払いで4カ月分ずつ支給されていましたが、2019年11月以降は年6回払いに変更され、奇数月(1月・3月・5月・7月・9月・11月)に2カ月分ずつの支給になります。支給日は自治体によって異なりますが、11~15日頃に設定されているところが多いようです。

※2019年度は、11月に8~10月分の3カ月分を支給。なお、手当の支給日は自治体によって異なります。

●児童育成手当

 東京都では、児童扶養手当とは別に、ひとり親家庭に「児童育成手当」を支給しています。これは18歳未満(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童)の児童1人につき月額13,500円。申請月の翌月分から支給されます。支払月は、6月(2~5月分)・10月(6~9月分)・2月(10~1月分)。

 所得制限がありますが、児童扶養手当とは異なり、あくまでもひとり親自身の所得額で判断されます(同居する親族等の所得額は関係ないということです)。

 扶養人数0人の場合の所得制限は3,604,000円、1人の場合は3,984,000円、2人の場合は4,364,000円、3人の場合は4,744,000円となっています。扶養人数が1人増えるごとに所得制限限度額が38万円増加します。

 児童扶養手当、児童育成手当ともに、再婚や事実婚などでひとり親ではなくなった場合は、受給資格がなくなります。

家賃補助

 ひとり親家庭にとって大きな負担となりがちなのが住宅費。賃貸住宅で暮らすひとり親家庭を対象に、家賃の一部を助成する制度を実施している自治体もあるんです。

●家賃補助を実施している自治体は?

 東京都だと、千代田区、新宿区、文京区、目黒区、世田谷区、豊島区、武蔵野市、日野市、東村山市、国立市、東久留米市(平成31年4月時点)。名称は「住宅手当」「家賃助成」など自治体によって異なります。

●家賃補助が支給される条件は?

 自治体独自の制度とあって、条件や助成金額は自治体によって異なりますが、ひとり親であることに加えて、民間賃貸住宅(公営住宅や社宅、社員寮は適応外であることが多い)を自身の名義で借り家賃を支払っていること、児童扶養手当を受給していること、一定年数その自治体に在住していることなどを条件に、家賃の一部が助成されます。

新宿区

世田谷区

武蔵野市

国立市

ひとり親家庭医療費助成

 ひとり親家庭の親と子が、保険診療を受けた際に窓口で支払う自己負担(多くは3割)のうちの全額、あるいは一部を助成する「ひとり親家庭医療費助成」(自治体によっては、ひとり親家庭等医療費助成)も多くの自治体で実施されています。

●医療費助成の申請方法は?

 申請は各自治体で受け付けています。

 対象者には「医療証」が発行されるので、病院など医療機関で健康保険証と一緒に医療証を提示して使います。

 お住まいの都道府県以外の地域の医療機関にかかった場合は、一時的に自分で負担し、後日領収書を自分の住んでいる自治体に提出すれば、支払った自己負担金が還付されます。

●所得制限は?

 自治体が定める所得制限があり、扶養人数1人の場合、230万~238万くらいが一般的です。再婚や事実婚などでひとり親ではなくなった場合は対象外となります。

就学援助

「就学援助」は、ひとり親家庭に限らず、小中学校へ通学する子どもがおり経済的に困っている家庭に対して、各自治体が学用品費や給食費などを援助する制度です。

自治体ごとに、世帯人数や年齢に応じた所得制限があります。大人1人・子ども1人の場合、所得で230万~290万くらい、年収ベースで350万前後が一般的な所得制限のラインです。

●就学補助の申請方法は?

 申請書の提出先は役所ではなく、学校となっていることも多いです。

 自治体によっては、教育委員会から自宅に送付された申請書を、申請の有無にかかわらず全世帯が学校に提出する方法を取っているところもあります。

 一般的な奨学金と違い貸付ではないので、返還の必要はありません。 

母子家庭向け手当・支援はいつまで受けられるのか

 ひとり親家庭の支援制度は、子ども(複数いれば末子)が18歳に達する以後最初の3月31日まで、つまり高校卒業まで受けられるものが多いです。

収入が上がったり再婚した場合はどうなるのか

 収入が上がる、扶養人数が減る、再婚や事実婚などで「ひとり親」ではなくなれば、支援対象ではなくなります。

 条件が揃っているひとり親家庭であれば、誰でも受給する権利があります。ぜひ、制度を活用してお子さんとの生活を整えてください。

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