生まれる前の記憶を持つ女性が、現在の「胎内記憶」界から距離を置くようになった理由

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SpiYakou131

「GettyImages」より

 連載にて、度々とりあげる謎物件「胎内記憶」。胎内記憶とは「母親のお腹のなかにいたときの記憶」のことですが、日本における胎内記憶研究の第一人者である産婦人科医・池川明氏により「お腹のなかに入る前=空にいたときの記憶」やら「前世の記憶」やらへ話が広げられ、にわかには呑みこみにくい不思議な世界へと変貌しつつあることは、これまでの記事でご紹介したとおりです。そこでは教祖と化した池川氏や、売れっ子胎内記憶キッズ・すみれちゃんについての雑感をお届けしてきましたが、今回は新たな展開を迎えました。長年、池川氏の身近に関わっていた人物みずからが、当時の想いや現状についてを語ってくれたのです。

 メールに表示される差出人の名前を目にして、ぶっちゃけ「ついにクレームキター」なんて思ってしまいました。それは、胎内記憶ドキュメンタリー映画『かみさまとのやくそく』の初期バージョンに出演されていた、南山みどりさんから送られてきたものだったので。 

映画から彼女のシーンがカット

 南山さんは過去に、池川医師の池川クリニックに勤務していたこともある人物です。映画を「初期バージョン」と記したのは、現在上映されている『かみさまとのやくそく』は、南山さん関連のシーンはすべてカットされ、再編集されたものだからです。その理由について、映画のFacebookページでは「(荻久保則男)監督への、撮影終了後からの不信感」と説明されています(過去記事ご参照:小学生女子を教祖とし「子どもは親を選んでくる」説を広める胎内記憶界の暴走)。

 どんな界隈でも一枚岩となるのは容易ではないでしょうから、考えの違いからその界隈から離れていくのは、よくある出来事。でも、虐待や不妊、流産、障害などのセンシティブな問題について猛毒級のお説を乱発し、私の眉間に深い皺を刻み込んだ(どうしてくれるんだ)界隈のお話となると、関係者の素顔を知りたすぎる!

 そんな野次馬気分で、面会へ出向くこととなりました。ここでは都内某喫茶店にてうかがったものと、後日改めてご自宅を訪問して聞いたお話を整理して、みなさまにお届けしていきましょう。

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