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男性の育休取得率が低いのは「会社」に原因がある

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「Getty Images」より

 先月、有志の自民党議員55人による「男性の育休『義務化』を目指す議員連盟」が発足した。育児休業制度は従業員が自主的に育休を申し出た場合に利用できるが、様々な事情から育休を取得したくてもできない男性(会社員)は多い。この状況を改善すべく、個人の自主性に任せるのではなく、育休取得を企業に義務化することを目指すとしている。

 しかし企業側の偽らざる本音は「そうはいっても、社員に休まれたらイヤだ」、だろう。しかし「職場の上長命令に従い、家庭を犠牲にして働くのが当たり前」という日本で当然のものとされてきた「(男の)働き方」は、いよいよ変わるべきだ。その「働き方」でなければ業績を向上できないのだとしたら、社員個人の能力ややる気の問題ではなく、社員を休ませずコキ使わなければ成り立たない企業そのものが問題を抱えていると言える。

 7月9日に放送された『モーニングCROSS』(TOKYO MX)では、認定NPO法人「フローレンス」で代表理事を務める駒崎弘樹氏が、男性の育休取得の必要性を語った。

 駒崎氏によれば、男性の家事育児の参加時間を増やすことは少子化対策に大きく貢献する。厚生労働省の「第14回21世紀成年者縦断調査(平成14年成年者)」によると、夫の休日の家事育児時間が「0時間」の家庭では、「第2子以降の出生あり」(10.0%)という回答は1割程度に留まる。一方、「6時間以上」の家庭では「第2子以降の出生あり」(87.1%)と9割近くにも上り、夫の家事育児時間が長いほど子供が増える傾向が見られた。駒崎氏はこの調査結果を引用し、「『少子化は女性の問題』と言う政治家はいるけど、男性の問題もある」と指摘した。

 女性が一人で身ごもり、産み、生計を立てながら育てることなど無理なのだから、もちろん少子化は「女性」と「男性」、双方の問題であることは疑いようがない。

 だが、その意識は政治家にすら浸透しておらず、市井の人々もまた「自分には関係ない」と他人事を装っている。駒崎氏は「日本人の夫は恥ずかしい状況があります」と夫の家事育児の参加率の低さを嘆いた。

 内閣府の「平成29年版少子化社会対策白書」には、1日当たりの6歳未満の子供を持つ夫の家事育児時間の国際比較がある。それによれば、「アメリカ:2時間53分」「フランス:2時間30分」だったのに対し、「日本:1時間7分」。圧倒的に少ない。また、日本人の妻の家事育児時間は7時間41分で、夫の約7倍も家庭内の業務に追われていることになる。日本では家事育児時間の偏り、すなわち性別役割分業が根強いことが明らかだ。

 だからこそ、男性は育児休暇を取り、家事育児にコミットする機会を増やすべきだ。そして企業は男性を「家庭に帰す」ことをためらってはいけない。

 また、男性の育休取得が重要である理由は、それだけではない。駒崎氏は、産婦の産後うつ対策としても大切なのだと説く。

 国立成育医療研究センターなどのチームが2015~2016年の妊娠中から産後1年未満の女性を分析したところ、死因の1位は自殺。厚生労働省の「妊産婦のメンタルヘルスの実態把握及び介入方法に関する研究」によると、初産婦は産後2週間目で産後うつのリスクがある人の割合がピークになり、その割合は25%にも上る。

 駒崎氏は「産後うつのリスクが高まって妻が死ぬかもしれない。(夫は)『2週間は休もうよ』と思います」と、夫側も最低でも産後2週間の休暇を取ることを推奨した。

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