これは個人的な推測なのだが、健康志向の時代に合わせて薄味化されたのではないだろうか。肉が多めの「特盛」は28年前からあるが、「アタマの大盛」が加わったのは2014年10月で味付けが変更された後である。今年加わった「超特盛」も肉が多めのメニュー。あえてちょうどよい味を目指さないことで、濃い味派が「アタマの大盛」や「特盛」「超特盛」といった肉多めのメニューを選択する、あるいはサイドメニューを追加することで客単価を上昇させる作戦ではないかと考えたが、うがちすぎだろうか。
核となる強みを大切に、ちょっとした工夫を
5月に発売した「ライザップ牛サラダ」(税込540円)は、糖質制限やダイエットをしている中高年や女性に好評だという。「超特盛」と同時期にメニューに加えた「小盛」(税込360円)もこれらの層にアピールできた。
吉野家には、若年層や女性客の獲得のため、からあげメニューを推していく計画があるが、老舗牛丼チェーンとして、メニューの多角化よりも強みで勝負するのが正解のように思えてならない。盛の違いだけでヒットが生み出せるのは、やはり牛丼が強いからだ。