30年越しの”国会に卍固め、消費税に延髄斬り!” 「経済×プロレス」の異種格闘技言論タッグ戦

文=池戸万作
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3.棚橋弘至の母校・立命館大学には、反緊縮左派のカリスマ教授が在籍

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松尾匡教授

 現在の新日本プロレスの看板レスラー、スター選手と言えば、棚橋弘至選手であろう。棚橋選手は立命館大学のプロレス同好会出身のレスラーなのだが、その立命館大学には反緊縮左派の看板教授が在籍している。その看板教授とは、松尾匡教授である。

 松尾匡教授は今から3年半ほど前に、『この経済政策が民主主義を救う: 安倍政権に勝てる対案』(大月書店)と題した本を出版し、経済政策で安倍政権に勝つことこそが、安倍政権を倒す道であると一貫して説いて来た。この松尾匡教授の主張に、いち早く国会議員として、呼応したのが、今年4月に「れいわ新選組」を立ち上げた山本太郎議員である。自ら弟子入りを志願して、2017年には合計4回の講演会を行い、その後も経済財政知識を着実に身に付けて来たからこそ、今日の「れいわ新選組」の姿があると言っても過言ではないだろう。

 その松尾匡教授は、現在、薔薇マークキャンペーンと言う、反緊縮の経済政策を掲げる野党候補者を認定する運動体の代表を務めている。れいわ新選組の山本太郎代表のみならず、野党各党から幅広く反緊縮の経済政策に理解を示す議員を増やそうとしている。私自身も日頃から大変お世話になっており、松尾匡教授の温厚な人柄の下には、まさに新日本プロレスに新たな女性ファンを呼び込んだ棚橋弘至選手のごとく、今後も次世代を担う反緊縮の若手スター候補生が集って来るのではないかと予感している。棚橋流に言うと、まさしく、

「松尾匡教授は皆さんに、愛されてま~す!」(アンチからは、嫉妬されてま~す!)

4.レインメーカー、イケド・マンサクによる「日本に金の雨を降らせる方法」

 新日本プロレスの現エースと言えば、オカダ・カズチカ選手であろう。今年4月には人気声優の三森すずこさんと結婚したことでも話題となった人物だ。そのオカダ・カズチカ選手の代名詞が「レインメーカー」であり、「新日本に金の雨を降らせる男」と言われている。

 だが新日本プロレスどころか日本中に金の雨を降らせることが容易にできる存在がある。それが「日本政府」だ。本章では、その金の雨の降らせ方について述べていく。

 まず、「金の雨を降らせると言っても、財源はどうするんだ!」という反応が返って来るだろうが、それに関しては前回の私の記事でも述べた通り、「新たにお金を発行すれば良い」だけのことである。私たちが自分勝手にお金を発行して、街中で金の雨を降らせてしまっては犯罪になるが、日本銀行が新たにお金を発行することは合法的行為である。政府が国債発行するのも、毎年法案を通して、合法にしている。

 しかし、金の雨を降らせると言っても、いきなり国民1人当たり1,000万円!と「金の豪雨」を降らせることは出来ない。これほどの金額ではインフレ率が一気に高くなりすぎてしまうからだ。では、どれくらいの金額が適切かと言えば、私はまず「月1万円、年間12万円」の「金の小雨」程度から降らせるのが妥当だと考える。これだと1億2500万人に配っても、年間で15兆円ほどである。15兆円でも多く感じるかもしれないが、日本の名目GDP(国内総生産)は、550兆円もあるので、GDP比率で見れば3%にも満たない。この程度の金額であれば、直近で0.5%(コアコアCPI)の消費者物価指数(インフレ率)が、少し上がるだけで、そこまで急激なインフレにはならないのである。

 これを次の年には、更に月1万円増やして月2万円、年間だと24万円。その次の年には、また月1万円増やして月3万円、年間36万円といった形で、少しずつ金の降雨量をかさ上げしていけば良いのである。そうして気が付けば、10年後には、月10万円、年間120万円の結構な金の雨が降っていることになるのだ。

 こうした形で、計量シミュレーションを行ったところ、見事にインフレ率は2%を少し下回る程度で、安定的に推移していくことが確認された。ということで、この計量シミュレーションが正しければ、いわゆるベーシックインカム的な給付金政策が、現存する社会保障システムを一切削減することなく、実現出来てしまうのだ。もし、万が一、インフレ率が高くなってしまった場合でも、給付金の金額増加を一時的にストップするなり、その他にも金融引き締めを行うなどして、インフレを抑制する手段はある。

 昨今のニュースでは、年金2000万円問題が騒がしくなっているが、筆者からすれば、「そんなのお金を発行すれば解決」で済む話である。ちなみに、前述の通りの形で、金の雨を降らせていくと、筆者が年金受給者となる頃の25年目で月25万円、年間300万円もらえることになるが、この25年間の累計額は3900万円にも上ることになる。

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 仮に毎年2%ずつ、インフレ率が上昇していくことになると、物価は今よりも1.6倍ほど高くはなるが、今のお金の価値に換算しても、3900万円÷1.6=2437.5万円で、2400万円ほどのお金を手に入れることが出来るのである。しかも、全ての人々の個人に対して、お金を配っているので、夫婦や子供まで広げれば、4人家族ではインフレ率を除いた実質金額でも、1億円近い金額となる。

 こうして、「日本に金の雨を“徐々に”降らせる男」イケド・マンサクのレインメーカーによって、年金2000万円問題に「フィニッシュ・ホールド」を決めることが出来た。

5.反緊縮界の「力道山」、故・宍戸駿太郎先生

 最後に、2で取り上げた藤井聡教授や4の私にとって、経済学の師匠とも言うべき方がいらっしゃる。その人とは、宍戸駿太郎先生である。大正生まれの宍戸駿太郎先生は、東京“帝国”大学の卒業で、経済企画庁の計量分析担当官として、戦後日本の「経済大国化」に従事、退官後は筑波大学の副学長や、国際大学の学長を務め、2006年には国際レオンチェフ賞まで受賞した、計量経済学の大家である先生だ。

 2013年8月に行われた内閣府の「今後の経済財政動向等についての集中点検会合」においては、ほとんどの経済・財政学者が「消費税8%へ増税しても問題はない」と述べる中で、「消費税増税で、デフレ再来の可能性がある。」(https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/tenken/02/shiryo05.pdf

 として、消費税増税に異を唱えた「唯二」の経済学の専門家である(もう1名は、現在は日本銀行政策委員会審議委員である片岡剛士氏)。

 残念ながら、宍戸駿太郎先生は2016年11月にお亡くなりになられてしまったのだが、その翌年2017年の消費者物価指数(コアコアCPI)は-0.1%と、宍戸先生の予言通り、消費税増税によって、日本は「デフレ再来」となったのである。直近の現在こそは、消費者物価指数は0.5%と、辛うじてインフレになっているものの、今年10月の消費税10%増税によって、「デフレ再々来」は免れないのかもしれない。きっと宍戸駿太郎先生も、今頃、天国でそのようなご指摘をなさっていることであろう。

 こうした宍戸駿太郎先生は、日本プロレス界における「力道山」のような、反緊縮界のレジェンドであると言っても過言ではない。反緊縮界の力道山先生のスピリットを受け継いで、私たちは今日の消費税増税の政策に反対し、更には消費税「そのもの」に対しても、疑義を唱えているのである。生前、宍戸駿太郎先生に、「消費税について、どう思いますか?」と私が尋ねたところ、「あんなものは無い方が良いに決まっている。」と即答されていたことを今も鮮明に覚えている。

6.本物の反緊縮プロレスラー現る。その男の名は「前田日明」

 以上のように、反緊縮界隈の事情をプロレスになぞらえた記事を書いていたら、衝撃的なニュースが飛び込んできた。本物の新日本プロレスやリングスなどで活躍していた超有名プロレスラーの前田日明氏が、7月4日付の東京スポーツで、「反緊縮宣言」とも言うべき素晴らしい記事を書かれている。是非、全文をご覧頂きたい限りだが、一部を引用すると、

「日本は借金だらけと財務省の大ウソにだまされ、消費税を増税するというが、生活困難者を直撃しますよ。」

 ナント!前田日明氏は財務省の大ウソを知っていたのである。消費税増税についても、全くの正論である。仰る通り、生活困難者こそが消費税増税の影響を“受け身なし”で、脳天からモロに受けるのである。まさしく、国民生活に「脳天唐竹割り」である。文末には以下のようにも述べられている。

「れいわ新選組の山本太郎が消費税廃止や奨学金チャラ、どうやって財源を出すかも俺と全く同じことを言っていて、びっくりしたよ。」

 俺と全く同じことを言っていて、びっくりしたのは、こっちの台詞です。前田日明さん。財源論に関しても、しっかりご存知だったようだ。これほどの超有名なプロレスラーの方にまで、反緊縮が浸透しているのは嬉しい限りで、出来ることならば、今度の参議院選挙に出馬して、消費税増税の安倍自民党に「キャプチュード」を決めて欲しかったぐらいである。プロレス界にも是非、反緊縮の考えを浸透させていって、国民の懐を豊かにすることで、より多くの人々が「生のプロレス観戦」が出来るような社会にして頂きたい限りだ。

7.ご唱和ください

 最後に、今期で政界を引退されるアントニオ猪木議員をリスペクトして、猪木さんの定番のセリフを<反緊縮バージョン>にして、叫んで締めたいと思う。

「現金レスかーっ!」
「現金があれば何でもできる!」
「いくぞー! 1,2,3,マーン!」

 ご拝読ありがとうございました。

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