社会

レペゼン地球とジャスミンゆまの炎上プロモーションは“SNS上の告発”信憑性を激しく貶めた

【この記事のキーワード】
【完成】レペゼン地球とジャスミンゆまの炎上プロモーションはSNS上の告発信憑性を激しく貶めたの画像1

レぺゼン地球公式サイトより

 人気DJグループ兼YouTuberグループ「レペゼン地球」のメンバー・DJ社長が、自身の事務所に所属するタレント・ジャスミンゆまと共にセクハラ・パワハラの虚偽告発による炎上プロモーションをした問題は、多くの批判を集めた。本人たちは炎上プロモーションに関与したマキシマムザホルモンおよびファンに向けて謝罪したが、あくまでも「ネタのつもり」であり、問題の本質を何ら理解する気はないようだ。

 まず7月17日にジャスミンゆまが自身のツイッターで、LINEのキャプチャー画面を公開し、DJ社長から「何度もホテルに誘われている」「断ったらクビにするとも言われた」などハラスメント被害を受けていると告発。18日にDJ社長は頭を丸めた姿で、これらのハラスメント行為は事実だと認める謝罪動画をアップした。

 ところが20日、DJ社長は一連の流れを「新曲をPRするための炎上プロモーションだった」と明かし、人気ロックバンド・マキシマムザホルモンとのコラボ曲「パワハラザホルモン」を発表した。

 レぺゼン地球のファンからは「さすが!」「面白い」と称賛の声が寄せられたものの、ネット上ではセクハラやパワハラをプロモーションの道具にしたことに対する批判が殺到し、21日にコラボ曲のMVは削除。レペゼン地球・ジャスミンゆま・マキシマムザホルモンは各ツイッターで謝罪した。

DJ社長の「辞めたいなら辞めれば」はハラスメント加害者の論理

 レペゼン地球が21日に投稿した謝罪文では、「もともと炎上商法だったので多少炎上することは想定していましたが、想像の10倍炎上し、まさか『パワハラはダメ』『炎上商法はダメ』と今回のMVで言っているマキシマムザホルモン様にまで批判がいくとは考えておりませんでした」と綴っている。自分たちは最終的にハラスメント行為を「ダメ」と否定しているのだから問題ない、という主張は変わっていないようだ。

 この謝罪ツイートからは、「想像以上に炎上してしまったから・マキシマムザホルモンに飛び火したから謝っておこう」という勘違いが伺える。しかし彼らの過ちの根本は、“セクハラやパワハラをプロモーションの道具にしたこと”だ。そのことは今なお、理解されていないようである。

 また、DJ社長は7月20日、「日本全国のパワハラで悩んでる人達へ」とメッセージを添えた動画をツイート。動画の内容は、会社を辞めたくても辞められない人達に対して、「普通に辞めたいなら辞めたほうが良いと思う。まずそもそもこの世の中、腐るほど仕事があるのに、そんなゴミみたいな会社でしか働けん、しかも辞めることもできないような自分のレベルの低さを実感したほうがいいけん」と“アドバイス”を送るものだった。

 DJ社長は「辞めたいから辞める」ことができる人間なのだろうし、「ゴミみたいな会社」を辞められないのは自己責任だという考えなのだろう。おそらく、セクハラやパワハラをはじめとした組織内の上下関係に絡む諸問題、そしてブラック企業で働き続ける人々の葛藤について、知ろうともしていない。

 2017年4月、漫画家の汐街コナさんが、自身がブラック企業に勤めていた時、会社を辞めたくても辞めることができないほど追い詰められた心境を描いたノンフィクション漫画『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』(あさ出版)がTwitterをきっかけに注目を集め、リリースされた。

 健康状態が良好であれば適切な判断ができるとしても、ブラック企業に勤務し心身ともに追い詰められることで「こんな会社は辞めていい」という判断が難しくなる可能性がある。そもそも「辞めたくても辞められない人」の自己責任に帰結してしまえば、ブラック企業はなんら是正されず蔓延り続けてしまうだろう。DJ社長がどのように認識しているかはわからないが、私たちはモラルもルールもない弱肉強食の社会ではなく、人権を保障された社会に暮らしているはずだ。

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。