社会

「人生100年時代」は本当か 「100年生きる」喧伝で得する業界

【この記事のキーワード】
「人生100年時代」は本当か 「100年生きる」喧伝で得する業界の画像1

「Getty Images」より

 最近、「人生100年時代」という標語が喧(かまびす)しい。テレビでも雑誌でも、書籍でも頻繁に使われている。

 そもそも多くの人は100年も生きられない。少なくとも私自身は無理だと思っている。

 しかし、何度も耳にしていると、なにやら100歳まで生きることを前提に、各人が心してあれこれと準備せねばならないような気になってくる。その一方で、100年も生きなければならないのか、とうんざりもする。

 つまり、「人生100年時代」という言葉は、人々を慌てさせる効果も、げんなりさせる効果もあるのだ。いったい、誰が「人生100年時代」を喧伝しているのか。そして私たちは、誰に踊らされているのだろうか。

100歳まで生きられるのは、ほんのわずか

 まず、冷静になって平均寿命を確認してみる。厚生労働省の発表では、平成18年の平均寿命は男性が79歳で女性が85歳だ。

(主な年齢の平均余命|厚生労働省)

 この数字だけを見ると人生100年時代はまるっきりのでたらめだと思える。しかし、この平均値はすでに亡くなった人たちの統計だ。不幸にも生まれてすぐに亡くなった子どもや、自ら命を絶った人なども含まれる。つまり、現在生きている人たちが何歳まで生きるのかを示しているわけではない。

 そこで内閣府の発表した今後の平均寿命の推移を見ると、2020年は女性が87.65歳で男性が80.93歳、2030年には女性が88.68歳で男性が81.95歳。2040年は女性が89.55歳で男性が82.82歳。

 2050年の女性が90.29歳で男性が83.55歳。そして2060年の女性が90.93歳で男性が84.19歳とだんだん伸びていくことが推定されている。

(平均寿命の推移 – 内閣府)

 この推定通りなら、女性の平均寿命は2060年までに90歳代に突入する伸びを見せているが、男性は80歳台を超えることが難しいようだ。もちろん、あくまで平均なので、100歳を超える人は常にいるだろうが、少数派だろう。

1 2 3

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。