ろう学校で受けた暴力と暴言、そして性被害

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ドラマ『聖者の行進』から15年も経ったけれど

 障がいをもった子どもの教育現場には、このような暴力が横行しているのか?

 文部科学省の調べによると、平成29年度にろう学校や盲学校などの「特別支援学校」で、体罰等の処分が行われた学校数は18校。これは特別支援学校数全体の1.6%になる。ほかは、一般の小学校で0.93%、中学校で2.51%、高等学校で5.55% となっている。ここからは、特別支援学校だけが特別多いわけではないとも受け取れる。

 しかし、知的障がいなどがあれば、虐待を認識して他者に伝えることが困難になるわけで、このデータの裏にはもっと多くの事例が潜んでいる可能性もないとは言えない。

 障がい者への虐待といえば、1995年に茨城県で発覚した『水戸アカス事件』が知られている。1998年には、この事件をモデルにしたテレビドラマ『聖者の行進』がTBSで放送され、世間に深い衝撃を与えたことを覚えている方もいるだろう。知的障がい者のスタッフに会社ぐるみで給料の未払いや虐待、レイプを行ったとされていた。しかし、当時の社長への判決は、詐欺罪・暴行罪・傷害罪で懲役3年執行猶予4年に留まる。性被害を含む虐待は「証拠不十分」「時効」などとされ罪には問われなかった。

 あれから約15年が経った。もちろんほとんどの教師は、虐待などしない。しかしMの学校での話を聞く限り、今もなお、障がいを持つ子どもへの虐待を続ける教師はいる。

 虐待以前に、教師と生徒のコミュニケーション不足も一部ではあったのかもしれない。Mの学校では、新しく赴任してきた教師に、生徒が手話を教えるのが習わしだったと言う。当時は、健常者の学校から異動になるケースも多かったからだ。

「でも、手話を覚えようとしない先生もいて――。それでただ話が通じないだけなのに、『こんなバカなやつらに教育なんて』って、中学生なのに算数の教材は小学校2、3年レベルのものでした。まともな教育が受けられなかったと思うと、悔しくて仕方ないです」

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