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ロイヤルホストはひと足先に勝ち組へ ファミレスの「脱24時間営業」が加速

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ロイヤルホスト(「Wikipedia」より/Tokoroten)

  ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」は、2015年、2016年と既存店売上高で前期を下回る結果となり苦境に立たされていたが、このところは業績を上げている。運営元であるロイヤルホールディングスは、2018年12月期連結決算の既存店売上高で前年比3.2%増を記録し、2017年に続いて2018年も増収増益を達成したと報告した。

 この好調を支える要因のひとつに、2017年から取り組んでいるロイヤルホストの24時間営業の廃止があるという。ロイヤルホールディングスの黒須康宏社長は、営業時間の短縮によって客数は減ったものの、従業員の勤務状況が改善されたことにより、サービス全体の質が向上したことが、客からの評価につながったのではないかと述べている。

 ロイヤルホストの成功を受けて、すでに他のファミレスチェーンにも24時間営業を見直そうという動きが出てきているという。増収増益が見込めるとなれば、この流れはさらに大きくなる可能性もあるだろう。フードアナリスト協会所属のフードアナリスト・重盛高雄氏に、ファミレスの今後について話を聞いた。

重盛 高雄(しげもり・たかお)/フードアナリスト
ファストフード、外食産業に精通したフードアナリスト。ニュース番組、雑誌などに多数出演。2017年には「The Economist」誌(英国)から、日本のファストフード業界についてのインタビューを受けるなど、活躍の場を世界に広げている。
フードアナリスト・プロモーション株式会社

 

「脱24時間営業」は、ファミレスにとってメリットだらけ

 重盛氏によれば、ロイヤルホストが好業績を上げたように、「脱24時間営業」には大きなメリットがあるようだ。

「24時間営業をやめることのメリットは、大きくわけてハード面とソフト面の2つがあります。ハードである店舗の面だけでも、メリットは多々あります。24時間営業は常に来客に備えておかなければならず、例えば揚げ物を作るための油には適度に火をいれておかなければいけないように、見えない部分でも大きなコストがかかってしまいます。さらに、加熱し続けた油は酸化して劣化しやすく、味のクオリティにも支障が及んでしまう可能性も。営業時間を短縮することは、サービス全体の品質低下を防ぎ、ブランドイメージを守ることにもつながるのです。

 また、閉店している間にいろいろな準備やメンテナンスをすることもできます。絶えず営業をしている場合は、営業時間中に店内の整備や清掃をしなければならないわけです。深夜や早朝に店を閉めることで、客を迎える体制を十分に整えておけるというメリットも大きいでしょう」(重盛氏)

 では、ソフト面でのメリットはどこにあるのだろうか。

「ソフト面で一番大きいのは、やはり人件費でしょう。24時間営業では、客が来るか来ないかわからない深夜早朝でも、高い給料を払ってスタッフを確保し、備えておかなければなりません。営業時間を短縮したファミレスは、ムダな求人コストや人件費を削減したことにもなるのです」(重盛氏)

むしろ24時間営業を続けるファミレスは生き残れない?

 「脱24時間営業」は、ファミレスにとってメリット尽くしのようにも思える。しかし、24時間営業のファミレスが絶滅するかというと、そう簡単な話でもないようだ。

「ロイヤルホストに続いて24時間営業を廃止しようという話は、さまざまなファミレスチェーンから出てきています。出てきてはいるのですが、目先の売り上げ減を危惧して決断に踏み切れないチェーンが多いというのも事実です。いつでも店を開けておくことによるコストはあまり考えず、マネジメント側が『深夜早朝に店を閉める=売上が下がる』と誤った認識を持っているのでしょう」(重盛氏)

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