なぜ6割の保育士が働きたくても働けないのか?

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保育士への復帰をサポートする国の政策

 国もこの現状を踏まえ、潜在保育士を減らすために以下のような保育士への復帰のサポートの強化に動いている。

1. 保育士確保プラン

  「待機児童解消加速化プラン」という待機児童を解消する国の施策を、確実に実施するためにプラスされた施策。このうち、「潜在保育士となる理由」の解消に役立つ施策は、以下のとおりである。

・保育士マッチング強化プロジェクト
・離職保育士の再就職支援の強化
・働く職場の環境改善
・保育士の待遇改善(3%の給与加算)
・保育従事者のキャリアアップのための仕組みの検討

 これに基づき、潜在保育士が希望する雇用条件の保育園で働けるよう、「国とハローワークが連携して再就職を支援」し、職場環境改善のための「管理者研修・好事例集マニュアルの作成と提供」などの取り組みを行うとしている。「保育士の給与のアップ」なども盛り込まれている。

 国は当初、2017年度末までに新たな保育士を6.9万人確保するとしていたが、現時点でも未達成の状態だ。そのため、「保育士確保集中取組キャンペーン」を2019度末まで実施するとしている。

2. 保育士確保集中取組キャンペーン

 これは、約32万人の待機児童を2020年末までに解消することを目標としたキャンペーン。以下の4つの取組みで構成される。

① 給与の改善

 民間の保育士の給与を約13%(約4万1000円)加算する。さらに技能や経験に応じて月額5000円~4万円の給与加算もあるため、月の給与が最大8万1000円アップする。

② 職場復帰のための研修を開催

 保育士確保プランから実施している内容を、さらに推進。ブランクのある保育士の職場復帰をサポートするため、保育実技研修などを実施する。

③ 職場復帰に必要な資金の援助

 職場復帰で必要になる就職準備金を最大40万円まで貸し付ける。未就学児の保育料の一部も貸し付けが可能。さらに、保育士として2年間勤務すれば、どちらの貸付金も返済が免除される。

④ 保育園の勤務環境改善

 保育補助者の雇用を支援、ICT(情報通信技術)の活用によって書類作成業務の負担を減らす支援、保育士を手厚く配置している保育園への支援の上乗せ、保育士のための宿舎の借り上げ額を月額最大8万2000円支援するなど、職場環境を改善して、保育士が働きやすい職場にする。

 これら政策の実行だけで保育士復帰の不安要素がすべて取り除かれるわけではないだろうが、国は2020年末までに約32万人の待機児童の解消を目指すという。

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