東日本大震災を「感動ドラマの材料」にしないということ。向井理主演舞台「美しく青く」

【この記事のキーワード】

 作・演出の赤堀雅秋は、現代人の誰もが抱える生きづらさや閉塞感を丁寧に描く作風で評価の高い劇作家です。2014年に手掛けた「殺風景」は北九州を舞台に実際にあった殺人事件を題材にした作品で、同作ではセリフは九州の方言でしたが、「美しく青く」では、東北地方を思わせる方言を用いてはいません。また、防潮堤の建設は震災以降全国で進められていることもあり、赤堀の「8年前」という使い方が巧みであるがゆえに、震災のことであると気づかずに観ている観客もいたように思います。

地震大国・日本で知っておきたい「震災前後のお金のこと」

 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。今日で東日本大震災から8年が経ちますが、現在も5万1778人が避難生活を送り、復興の課題は残…

東日本大震災を「感動ドラマの材料」にしないということ。向井理主演舞台「美しく青く」の画像1
東日本大震災を「感動ドラマの材料」にしないということ。向井理主演舞台「美しく青く」の画像2 ウェジー 2019.03.11

 それは、震災がよい意味でも悪い意味でも、日本人の「日常」の中に溶け込んでしまっているともいえるのかもしれません。感動ドラマの材料にするのではなく、そこの生きるひとの普遍性をすくい取ることができるようになったのかも。

 だからこそ、胸に響いたのは、順子ママが居酒屋でバイトしている少女にかける言葉でした。「なんでもいいから働いて、飯食って酒飲んで寝る。好きな人を作ってバカみたいに子ども作って、ババアになってぽっくり死ぬ」。生きるうえで悩ましいことはたくさんあるけれど、シンプルに立ち返ってみれば、生きることの喜びが垣間見えるように感じるのです。

1 2 3

「東日本大震災を「感動ドラマの材料」にしないということ。向井理主演舞台「美しく青く」」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。