遺体を鍋で煮溶かした八王子カリスマホスト殺人事件 関係者らの人間模様

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 玄地の強い思いと阿部の究極の選択により、事件は起こったが、実はこれを止めようとしていた人物がいた。かつての「バリカン」のナンバーワンホスト、アキラだ。関係者らから事件のことをある程度聞いていた彼は、平の公判に証人出廷し、当時の様子を語った。

 良い時で月600万以上も売り上げていたため、当然ながら金があるアキラは、玄地からたびたび「被害者を殺すための拳銃を調達したいので金を貸してくれ」と言われていたという。しかし頑として断った。ナンバーワンホストは、危機回避能力がある。

 さらに、実行に移そうとしている玄地、阿部、平の3人を、たびたび止めようとしてきた。「平さんから玄地さんにやめるように言って下さいよ」と伝えたのは一度だけではない。ナンバーワンホストは善悪の区別をはっきりつけているのだ。

 そしてアキラは3人の事件の動機を冷静に観察し、さりげなく彼らに質問することで情報を正確に収集してきた。

 玄地については「被害者の土田さんからたびたび暴力を受けていて、アイツ殺してやりてぇ、と何度か言っていた」。阿部被告については「よく殴られていたし、恨みを持っていたと思う」と動機を分析。平被告については「関与することで、実行後に店でなんらかのポストを与えられるという約束をしていたようだ」と金目的であると見極めていた。たしかに平は、玄地から事件前、拳銃の見返りに経営のポストを約束されていたそうだ。

 アキラは事件には関与していなかったが、関係者らが逮捕されるまでに4回も事情聴取を受けた。全てを知っているため生前の玄地から「喋んじゃねーぞ」と何度も脅されていたという。だが最後には、全てを話した。

「翌日に検察庁に行くと親に話したら『全部話してこい。もし罪に問われても、私たちはずっとお前の見方だ』と言われて……」

 当時を思い出し、声を詰まらせるアキラ。彼はこうして、事件前後の店の様子や関係者らの計画など、全てを話した。アキラの両親の後押しがなければ、事件の全貌は明らかにならず、玄地が阿部に迫った通りの「完全犯罪」となっていたことだろう。

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