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吉本興業の問題は契約書・ギャラだけじゃない、芸人の不満生む杜撰なマネジメント

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吉本興業ホールディングス株式会社公式ホームページより

 反社会的勢力の“闇営業”問題を発端として、吉本興業の問題含みの企業体質が浮き彫りになった。契約書を交わさず口頭で契約しておきながら「信頼関係があるはず」と言い含めようとする上層部の傲慢さ。複数の芸人が声を上げている、理不尽なギャラ配分。そして「週刊女性」8月13日号(主婦と生活社)では、そもそも吉本は「芸人をマネジメントできていない」うえ、「吉本を辞めたら干す、と圧力をかけられる」と、芸人たちが内情を告発している。

 同誌に匿名で情報を寄せている中堅芸人は、吉本興業の深刻な“人手不足”を証言。

<マネージャー1人で100人くらい(の芸人)を担当してて、仕事の案件があると、グループLINEで“こんな仕事がある”と伝えられるだけ。“100メートル10秒台で走れる芸人”という条件の仕事がLINEに投げられたりもして>
<ごまかしているのか忘れているのか……(ギャラは)振り込みがないことなんてよくありますよ。マネージャーに聞くと“経理に確認します”と言うんだけど、返答はめちゃくちゃ遅い。2年前のギャラが急に入ったりしますから>

 さらに、“闇営業”問題によって今年3月に吉本興業を解雇された、「ドドスコスコスコ・ラブ注入」でおなじみの楽しんごも登場し、持論を述べている。

<吉本のマネージャーは毎月のように代わって、当たりハズレがすごくある。最悪だったマネージャーは、僕が“YouTubeの仕事をやりたいです”とかメールしても、“わかりました。確認します”の返事から、まったくレスがないんです>
<仕事をくれるという人がマネージャーに電話しても“全然出ないんだけど”と言われたことも。それで断られちゃった仕事は覚えているだけで10数本はあったと思う>

 ただこれらの不備が、「マネージャーの能力不足のせい」とは言い切れない。<マネージャー1人で100人くらいを担当>するという状況からは、吉本社員の過酷な労働環境が浮かび上がってくるからだ。

 ギャラの振り込み遅延は人手不足から手が回らなかった、あるいは失念してしまった可能性もある。激務で折り返しの電話さえできないほど忙殺されているのかもしれない。仕事上の判断の遅さは、決定権を持つ上層部と現場のチームワークの悪さもうかがえる。

 実際に、吉本興業はこれまでに2度、労働基準監督署の是正勧告を受けている。2012年3月には、同社と子会社は労使協定で定められた月50時間以上の残業をさせたなどとして新宿労基署から勧告を受けた。なかには月100時間を超えた社員もいたという。

 さらに2018年8月および9月にも、業規則の不備や休日勤務手当の不十分な支払いなどがあったとして再勧告を受けている。同社の担当者は朝日新聞(2019年4月15日付)の取材に対し、「人員を増やし、労働時間の管理をより厳しくするなど対策を取っている」と説明していた。

 どこのプロダクションにおいても、芸能マネージャーがハードな職種であることは間違いない。芸人のマネジメント体制の不備は、そもそも社員の労働環境問題に起因したものとみることもできる。

 お笑いコンビ「笑い飯」の哲夫は、25日に出演したイベントで、吉本をめぐる一連の騒動について「まず、社員さんの給料を上げたって」と訴え、「我々芸人についてくる社員さんがいい仕事ができるように。そうすれば芸人がいい仕事をさせてもらえる環境ができる。まずはそっちの方が大事な問題」と社員の待遇改善を求めていた。

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