エンタメ

吉本興業「死んでも責任取らない」 異常な誓約書の存在と、芸人にツケを負わせるブラック体質

【この記事のキーワード】
吉本興業「死んでも責任取らない」 異常な誓約書の存在と、芸人にツケを負わせるブラック体質の画像1

吉本興業ホールディングス株式会社公式ホームページより

 吉本興業は、運営する芸人養成所「NSC(吉本総合芸能学院)」の研修生に対して、「死亡しても責任を負わない」とする契約書の提出を求めていたことが分かった。

 朝日新聞は31日、今年9月に静岡県で行われる「NSCお笑い夏合宿」参加者の誓約書に、<合宿中の負傷、これに基づいた後遺症、あるいは死亡した場合、その原因を問わず吉本興業に対する責任の一切は免除されるものとする>という免責事項が記載されていたと伝えた。

 この誓約書には、<賠償請求、訴訟の提起などの支払い請求は行えないものとする>という一文も記載されており、同記事に見解を述べた紀藤正樹弁護士は、<今の法制度にのっとらない、人を人として扱わない規約>と問題を指摘している。

 吉本興業の担当者によれば、2009年に大崎洋会長が就任した際に、コンプライアンスやリスク管理強化のため、同合宿の誓約書に上述の内容を盛り込んだという。同社顧問弁護士の指導を受け、2014年から2016年には記載の一部を修正していたが、担当者の引継ぎミスによって2017年と2018年の誓約書にも同じ記載があったとし、謝罪した。

異常な搾取、マネジメント体制の不備――そのツケを芸人に負わせる吉本

 吉本興業は、反社会的勢力への“闇営業”問題に端を発した一連の騒動によって、そのブラックな企業体質が浮き彫りとなっている。

 まず、吉本興業と所属芸人の間は口頭契約のみで、契約書は作成していないという。これについては、公正取引委員会の山田昭典事務総長が24日、「契約書面が存在しないということは、競争政策の観点から問題がある」と判断し、具体的な取引条件を明らかにしないことは、「著しく低い対価での取引要請」を誘発する可能性があると指摘している。

 吉本芸人のギャラは「芸人:吉本=1:9」――これは、多くの芸人がこれまでネタにしてきたことでもある。しかし23日の会見では、岡本昭彦社長が「ざっくりした平均値で言っても5:5から6:4です」と述べたことから、多くの吉本芸人たちから反発が起こり、ギャラ配分の理不尽を訴える声が続出した。

 「週刊女性」8月13日号(主婦と生活社)では吉本所属のある中堅芸人が、ギャラ配分について以下のように暴露している。

<9対1ですよ。9.5対0.5とかも聞きます。しかも、それをコンビで分けたり。それ、もう何対何なんだよって>
<振り込みがないことなんてよくありますよ。マネージャーに聞くと“経理に確認します”と言うんだけど、返答はめちゃくちゃ遅い。2年前のギャラが急に入ったりしますから>

 世間に批判の声が広まるなか、吉本興業は25日、希望する芸人と専属契約を書面で交わす方針を決めたことを明らかにした。とはいえ創業100周年を超える吉本が、これまで続けてきた異常な搾取構造や杜撰なマネジメント体制――つまり、全社的な体質の見直しを図るのは、上層部の発言を見る限り決して容易なことではなさそうだ。

吉本興業のギャラ「2000円」「1円」「250円」 他芸能プロの芸人報酬「6:4」「7:3」と差がありすぎる

 22日、記者会見に臨んだ吉本興業の岡本昭彦社長が、会社と芸人へのギャラ配分について「ざっくりした平均値で言っても5:5から6:4です」と説明したことに…

ウェジー 2019.07.23

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。