
トヨタ自動車公式Instagramより
トヨタ自動車が5月に発表した2019年3月期連結決算によると、売上高が30兆2256億円(前期比2.9%アップ)と、初の30兆円の大台を突破した。
営業利益も2兆4675億円(前期比2.8%アップ)となっており、グループ企業のダイハツや日野自動車を含めた世界販売台数は1060万台(前期比1.6%アップ)と、死角なしの好調ぶりに見える。
6月13日の定時株主総会では、就任から丸10年を迎えた豊田章男社長が、「自動車産業が大変革期に突入している。将来のモビリティー社会を株主のみなさまと一緒に創りたい」と挨拶。総株主数62万3599名のうち、出席した株主は5546名と過去最高となったことも話題となった。
さて、そんなトヨタが“株主優待制度”を設けていないというのは意外だが、投資家の間では有名な話だ。
野村インベスター・リレーションズの調査発表によると、上場銘柄数に占める割合は37.1%(2019年2月末)とのこと。株主優待制度を導入する銘柄としては、1992年の調査開始以来、過去最多だったという。
企業側が株主優待制度を導入・強化するのは、主に安定株主としての個人投資家を取り込み、経営の安定性を高めるためである。もちろん、株主優待だけを目当てに株を購入する株主ばかりではないが、株主優待の製品や商品券などに惹かれたというのが、その社の株を購入した動機のひとつだった、という投資家も少なくないだろう。株主優待制度によって、投資家たちがその企業のファンになり、安定株主の増加につながることもあるはずだ。
株主優待は、企業側・投資家側、双方のメリットを見込める制度だが、なぜトヨタ自動車は株主優待制度を導入していないのだろうか。その理由について、トヨタ自動車 渉外広報部 広報室にきいた。
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