毒親育ち女性の「その後」。向かない職業ばかり就いていた/小川雅代さんインタビュー

暮らし・美容 2019.08.11 10:05

ーー小川さんはご実家から離れてからいままで、どういうお仕事をされてきたんですか?

小川雅代さん(以下、小川):いまの仕事に就く前は、たとえ自分に合ってないところでも、それが普通だと信じて働いていました。経験したのは母のマネージャーや運転手。そこからコンビニ、モデル、女優、アパレル販売員、バイク屋、ペットショップ、ステーキ屋、ギターの代行輸入、お寺での寺務所勤め。昼働くだけじゃ生活費が足りないから、夜はピアノバーでピアノやギターの弾き語りもしました。

現在は、会社勤務と音楽活動を両立

小川:いつも行き当たりばったりです。お恥ずかしいですが、職業を選んで就職するための一般的な方法を知らなかったんです。普通は自分に合った仕事がなんなのかじっくり考えて、学校や家族に相談をするんでしょうけど、どちらも縁がなかったし、物心ついたときから母は私の思考さえも奪ってきたので、自分が一体何を好きなのかもよくわかりませんでした。その前に生活するのに必死で。

母は部外者のくせに職場に電話をかけてきて「こんな仕事はダメだ!」などと難癖をつけ、私の仕事をつぶすような人です。父は新しい家族がいたこともあり、一切助けてもらえません。親代わりの親戚はいたんですが、口出しをしたら私の母に仕返しされると思い込んでいる人たち。相談できる人はいませんでした。

加えて「自分は不幸になるべきなんだ」という認知のゆがみもあり、わりと向いていない職業、もしくは環境にばかり就いていたんです。

「お前はダメだ、不幸になる」

ーー素人考えだとモデルさん、向いてそうですが。

小川:レベル的に無理がありました。母に第一線のトップモデルしかいないような事務所に入れられてしまったんですよ。経験のない私が入っても、当然ダメ出しの嵐です。母は、私の立場で物事を考えられない。見込みがないわけじゃないけど頭がよすぎる学校に入ってしまったんでビリになって自信をなくす、そんな日々でした(笑)。事務所も分裂する直前で、タイミングも悪かったみたいです。

ーー私自身経験しますが、女性が生活に困窮すると、まず「ナイトワークで働けば?」と勧められますよね。

小川:私は引きこもって家にいたいタイプなので、接客業がそもそも向いてませんね。感情労働、しかも男性相手の指名とってなんぼ、という業種は向いていないし、お酒が入った席だとどうしても触られたりするのが嫌ですね。S Mバーなら縄で縛るから手出しできないだろうと、すすめられて働いたこともありました。けれど結局そこでも普通のキャバクラのようにハイテンションな接客をするよう求められ、疲れてしまいました。

ーーモデルやナイトワークなど、なぜ合ってないところに向かってしまうんでしょう。

小川:普通に生きてきた方には理解しづらいかもしれませんが、私は母親から「お前はダメだ」「お前は不幸になるから」と小さいころからいわれ続けて、そうなる方向に行くようプログラミングされてるんですよね。「普通のところじゃこんな自分雇ってくれないだろう」という、揺るぎない自信があったんです(笑)。

> 次ページ

1 2 3 4

大和彩

2019.8.11 10:05

米国の大学と美大を卒業後、日本で会社員に。しかし会社の倒産やリストラなどで次々職を失い貧困に陥いる。その状況をリアルタイムで発信したブログがきっかけとなり2013年6月より「messy」にて執筆活動を始める。著書『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』。現在はうつ、子宮内膜症、腫瘍、腰痛など闘病中。好きな食べ物は、熱いお茶。

『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』

関連記事

INFORMATION
HOT WORD
RANKING

人気記事ランキングをもっと見る