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「掛け捨て保険」を嫌うと、もっと大きな損をする

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「Getty Images」より

貯蓄性保険に入る間違い

 昨今、かんぽ生命の問題もあり、保険という商品のあり方が見直されてきているようです。これはとても良いことだと思います。

 私は、保険はとても大切なものであり、大きなトラブルや災難が起きた時に経済的な保障を得るために必要不可欠な仕組みだと思っています。いわば人類が考え出した偉大な知恵のひとつといっても良いでしょう。

 ところが日本では多くの人が保険について勘違いしていて、かなり無駄な利用の仕方をしているのではないかという印象を持っています。中でも特に陥りがちなのが、「掛け捨て保険を嫌って貯蓄性保険に入る」という間違いです。

 私はどうもこの「掛け捨て」という言葉があまり良くないのではないかという気がしています。捨てるという言葉の語感が、何だか損をするというイメージを思い起こさせるからです。

 そりゃあ誰でも損をするのは嫌です。損をせずに掛けたお金が戻ってくるのなら、うれしいと思うのは当然かもしれません。でもあえて誤解を恐れずに言うと、保険の本質は「損をすること」にあるのです。もう少していねいに言えば「わずかな損をすることによって大きな損が降りかかってきた時に対応できるようにしておく」ということです。

貯蓄と保険は、その目的が正反対

 保険の仕組みを簡単に言うと、みんなで少しずつお金を出し合ってそれをプールしておき、お金を出したメンバーの中で不幸な目に遭ってしまった人にそのお金を回してあげるということです。

 つまりは相互扶助、お互いに助け合う仕組みです。幸いにして自分がそんな不幸な目に遭わなかった時は出したお金は損をします。でも、それは万が一の時のために備える費用と考えるべきなのです。

 たとえば、警備保障会社と契約すると、毎月警備料を払わなければなりません。これはいわば保険のようなものです。泥棒に入られないようにするか、あるいは仮に入られても素早く通報され、被害が拡大しないようにするのが警備保障の役割です。もし契約している間に盗難に遭わなければ、払った保険料は無駄ということになります。それが嫌だからといって貯蓄型の警備保障契約などあるはずがありません。保険というのは“保障”という商品を買っているのです。

 それに、貯蓄と保険とでは、その目的が正反対です。貯蓄はできるだけたくさんお金を貯めることで将来の楽しみに使うこと、保険はできるだけ少ないお金を出すことで将来の危険に備えることです。楽しみと危険、そのためにできるだけたくさんのお金を貯めるかできるだけ少ない保険料で賄うかの違いですから、まったく正反対といって良いでしょう。

 自分が出した保険料で貯蓄と保険の両方の機能を満たそうと思ったら、保険料を保障に充てる部分と運用に回す部分に分けなければならず、非常に非効率的になります。保険の目的は保障なのですから、それに限定した使い方をすべきです。お金を増やすための貯蓄や投資は保険とは別に考えるべきでしょう。

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