禁煙法の制定はあり得る? 高まる禁煙ムードと“国営”企業JTの思惑

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実質的“国営”のJTだが…実は、民間的な自由経営を望んでいる?

 そもそも、日本のたばこ業界と切っても切り離せないJT (日本たばこ産業)とは、どういう存在なのか?

「JTとは、1985年に日本専売公社が民営化してできた日本たばこ産業株式会社のことです。JTには国産葉タバコの全量買い取りが義務づけられており、さらに国内で唯一タバコ製造の独占が認められています。民営化したとはいえ、財務官僚の天下り先にもなっていると言われており、実質的には“国営の会社”といっても過言ではないでしょう。

 とは言え、実はJT側はこうした体制から脱却して、自由な経営を望んでいる可能性もあります。現在は国内で生産したタバコの葉をすべてJTが買い取らざるを得ず、高い国内産を買い続けることが重荷になっているためです。タバコ農家は楽に栽培ができるうえ、JTの買い取り制度があるので安定した収入が得られますが、JTからすれば喫煙率が下がっている昨今、この買い取り制度はキツいでしょうね。国営時代に国が産業を支えることで、安定した税収を得ようとした名残と言えるでしょう」(片野田氏)

 最後に、今後のタバコ業界について予想していただいた。

「業界としては世界シェアの90%以上が日本であるアイコスや、プルーム・テック、グローといった加熱式タバコの普及により力を入れていくはずです。禁煙化の流れについては、改正健康増進法の施行も控えており、喫煙率の減少は今後も続くでしょう」(片野田氏)

 愛煙家にとっては厳しい未来予想となってしまったが、片野田氏は「禁煙政策はたばこを止めたい人の支援とセットにしないと、単なる喫煙者いじめになってしまうため、楽に禁煙できるサポートの充実もあわせて進めていくべき」とも語ってくれた。 “個々の禁煙努力”に任せず、禁煙サポートやケアをしてこそ、日本が禁煙後進国から脱却する日が近づくといえるだろう。

(文・取材=TND幽介[A4studio])

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